WOKE CAPITALISM―「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

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WOKE CAPITALISM―「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

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  • サイズ 46判/ページ数 360p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492444740
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0030

出版社内容情報

「WOKE」という切り口で、企業が社会問題に取り組むことそのものが本音レベルで利益に直結する現代資本主義の構造と裏側を読み解く。
■「WOKE」とは:「WAKE=目を覚ます」という動詞から派生した言葉。公民権運動時代から使われていた言葉だが、近年は「社会正義」を実践しようとする人びとの合言葉になっている。
■「WOKE CAPITALISM」とは:企業が気候変動対策、銃規制、人種平等、LGBTQなど性的平等実現などに取り組む様子。【「WOKE CAPITALISM」のチャート図】


【「WOKE CAPITALISM」のチャート図】

リベラルな「WOKE CAPITALISM」の実践で企業イメージ&株主価値が向上
⇒翻って保守層は「意識高い系」に反発し、選挙では保守党派に投票
⇒保守党派の伸長は、「WOKE」な企業にとっても実はプラス。むしろ「減税」政策の恩恵を受けチート化。さらなる利益がもたらされる。
⇒この構造が継続し続けることで、社会階層は固定化。民主主義の破壊につながり社会はディストピア化。しかし、企業はどちらに転んでもユートピア化。
⇒繰り返し


近年「WOKE」という言葉がよく使われている。「wake=目を覚ます」という動詞から派生したこの言葉は「社会正義」を実践しようとする人びとの合言葉になっている。
たとえば、一般消費者向け企業が、気候変動、銃規制、人種平等、LGBTQなど性的平等、性的暴力廃絶などに参加する様子は「Woke Capitalism」と呼ばれる。
Woke Capitalismの実践で成功した企業は「社会正義」に取り組むことで、株主価値向上にも顧客の開拓・維持にもつながる。
一方で、リベラルなWokeの実践は保守層の反動を煽り、その反動による投票行動で政治は企業に優しい保守党に委ねられる。トランプ現象はその象徴だ。あまつさえ伝統的に企業に優しい保守党派により減税にも与れる。「Woke」を糧にしたキャピタリズムというわけだ。
ある意味で企業にとっては無敵である。ただし、社会には深刻な分断がもたらされ固定化し、民主主義が破壊されることにもつながってしまう。
「WOKE」という切り口で、企業が社会問題に取り組むことそのものが本音レベルで利益に直結する現代資本主義の構造と裏側を読み解く、オリジナルかつユニークな論考。

内容説明

SDGs、パーパス経営、CSR、気候変動対策…「なんちゃって企業倫理」の化けの皮をはがす。

目次

巻頭解説 偽装された新自由主義(中野剛志)
ウォーク資本主義に関する問題
企業ポピュリスト
ウォークの意味の逆転
資本主義、ウォークになる
株主第一主義
ウォークネスの皮を被った狼
見た目が良くても環境に良いとは限らない
CEOアクティビスト
人種、スポーツ、ウォークネス
人種的資本主義ウォーク資本主義
ウォークな企業の最高のあり方
右手で与える一方で
ウォーク資本主義から目を覚ます

著者等紹介

ローズ,カール[ローズ,カール] [Rhodes,Carl]
シドニー工科大学組織論教授。主な研究テーマは、企業が市民や市民社会からその行動に対してどのように責任を問われ、また問われるべきかに関すること。この研究は、社会における企業の役割を批判的に問い直し、繁栄を皆で分かち合えるようにすることを目的とする。倫理、政治、経済について、主流派や独立系の新聞に定期的に寄稿している

中野剛志[ナカノタケシ]
評論家。1971年、神奈川県生まれ。元・京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得。2003年、論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。著書に山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)などがある

庭田よう子[ニワタヨウコ]
翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

55
BLMや気候変動、ジェンダーといった現代の政治的テーマに関してナイキやアマゾン、マイクロソフトといった巨大な企業のCEOたちが先を争うようにして巨額の寄付を行いリベラルな姿勢を表明している事実を取り上げたうえで、それが結局は既得権益の維持拡大を意図したものであることを明らかにした一冊。新しい資本主義の姿や資本主義を克服する道筋を見せてくれるというよりは、むしろ資本主義はどんな事態に直面しようとも巧みに変態しつつ生き延びていこうとしていることを欺かれることなく理解しておく必要がある、というのが本書の論旨。2023/09/05

R

35
イカすタイトルだと思って読んでみたら、WOKEと意識高い系は必ずしも一致しないが、だいたい似ている、どっちも嫌いだと納得したのであった。ある種の先進性にWOKEという名前がついたが、その紛い物が市場を席捲している、それを目指し許す資本主義が危ないという内容で、昨今の奇妙な主義主張とそれに乗っかった商業のありかたの説明がついたようで興味深かった。エリートや差別といったものと親和性が高く蔓延るというのが人間社会の抱える病気のようにも思えた。治らないのだな。2023/11/27

セロリ

35
企業は社会の公器である。企業は納税することで社会に義務を果たし貢献している。社員を雇用し生活を守ることで、次の世代を生み出し労働力を再生産する。なのに今の新自由主義の資本主義ときたら、一部の富裕層だけが富を独占し、納税という企業の責務さえタックスヘイブンを利用して回避している。世界の平均法人税率は45%から28%にまで下がっているとのこと。そして富を得た資本家は、篤志家のフリをして自らの利益に合致する政治的アクティビティに乗っかって寄付をする。これは民主主義の破壊だ。資本家による独裁を産む行為である。2023/09/11

belalugosi6997

20
簡単に言えば「意識高い系資本主義」、私からすれば「偽善的詐欺系新事由主義」だ。環境を思んばかり。本来の新事由主義は「規制をなくせ」が今や「俺によこせ」と大きな政府を認める。ファシズムを、反露出のフェミ、反日は右翼、言論空間は殺伐…。woke=意識高い系の資本主義者、たちの悪い団体や個人、犯罪や妨害は絶対に許さない、グローバル社(以下G)が率先する。まるで大枚を払っての如く…。実際(企業の総額から)は雀の涙だ、少額で注目を浴びれて世間から好感を得れる。凄い宣伝効果だ。新しい新事由主義の誕生、警戒しろ!2024/02/14

Tom

13
企業や経営者が環境問題や多様性、労働の問題に取り組むことを欧米ではしばしば「ウォーク(woke)」と言い表す。日本でいうところの「意識高い系」に近い意味合いで使われる場合が多い。左派の立場からは企業の社会的な取り組みは称賛されやすいが、保守層からは批判の的となる。が、本書はそのどちらの立場にも属さない。本書が突くのは、まず大企業が社会的な取り組みをすることの欺瞞である。例として、Amazonが新型コロナ対策として390万ドルを英国に寄付したが、同社が10年間に租税逃れした額は1000億ドルを超える。2023/05/13

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