内容説明
アラブになぜイスラーム教が誕生したのか、それがどのように拡大展開していったのか、そして現代のイスラーム教が抱える苦悩まで解説した解説書。
目次
アッサラーム・アライコム―イスラーム教理解のために
ファジルの章―アラブ人の思考と行動様式
ズフルの章―イスラーム教の降誕と預言者時代
アスリの章―多様化し拡散するイスラーム世界
アグリブの章―雑学イスラーム教案内
アシャーアの章―今日の中東世界とイスラーム教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大森黃馨
9
自身の信仰はどうあるべきか この書にはイスラム教の知識のみならずそうした事も考えるヒントになりうるものと思う 以前に読んだ大川周明氏のイスラム教入門書ともまたかなり違うように思う多分だか時代的に大川氏は文献資料中心で当書の著者である渥美氏は中東に留学しての肌感覚その違いなのだろうか(尤も渥美氏の留学すらその時期は日本の一般人がイスラムに関心を持つようになる第一次オイルショックの前なのだけれど) ただ如何せん当書の刊行も1999年とやや古い この書をもって(続く) 2023/11/21
しえる
7
イスラム教を知る前にその土地と人の性質から。そしてイスラムについて。ムハンマドという人は?イスラム教とは?始めにアラブを知らなければイスラムは理解できないというのを日本人との比較もしながら書いてある。「主婦でも学生でもわかるよう」と書いてある通り、すごく丁寧に小段落分けしてあるので、区切って読みやすい。いろんな方面からイスラムの説明がある。特に歴史の流れは覚えやすかった。最初に手に取るとしたらとても良い本。ただ分り易くしてある分、内容が多い。2013/06/15
牛タン
1
良書。啓示当時のアラブの風土やアラブ人の特性を通してイスラームを理解する、という試みが初心者でも分かりやすいように書かれている。日本人がイスラームを難しく感じたり受け入れがたかったりするのは、そもそも日本とアラブの民族の根底にある価値観、思考様式、処世術が違うからだというのは至極まっとうな指摘に思えた。実際、本を読み進めていくうちになぜ当時のアラブ世界でこれほどイスラームが力を得たのか、少し納得ができた。ムハンマド時代以降のイスラーム世界とアラブ世界の変遷についてもよく書かれている。2015/04/20
Shuji Nakauchi
0
イスラーム成立の経緯に関する記述が面白い。アラブ的慣習を打破するために発生したイスラームが、拡大と発展により複雑化していく様が分かりやすく記述されている。2016/08/24
可兒
0
初心者がイスラームを知り始めるための第一歩という位置づけの本だと思う。全て知った気になるのはやはり禁物であろう2016/08/06