内容説明
困ったことに、数学語は数学や科学だけで使われている言葉ではないのです。論理的とよばれているありとあらゆる分野で、数学語が共通語として使われているのです。というわけで、この本の目的は、「数学語を第二言語として身につける」です。言語の本ですから、「ナマモノ」の数学に出てくる補助線の引き方やつるかめ算など数学技能については勉強しません。三平方の定理やオイラーの公式のような有名な定理もやりません。その代わりに、数学の文法と和文数訳、数文和訳、そして数学の作文法を勉強します。
目次
1 定義とは何か
2 数学の文法
3 和文数訳
4 数文和訳
5 かたちから言葉を見る
6 証明とは何か
7 数学の作文
8 終章―ふたたび古代ギリシャへ
著者等紹介
新井紀子[アライノリコ]
一橋大学法学部卒業。イリノイ大学数学科博士課程修了。理学博士。現在、国立情報学研究所教授、社会共有知研究センター長。専門は数理論理学、情報科学、教育工学。情報共有基盤システムNetCommonsを開発、学校などでも簡単に使いこなせる情報共有システムをめざしている。その一方で、専門の論理学を活かして算数・数学の著作にも多数取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えも
20
数理論理学入門。論理記号で示された数式をエスペラント語のような世界共通言語ととらえ、「数文」という表現で日本語和訳や日本語の「数訳」をしていく。取っつきやすい入門書だと思います▼でもε-δ論法あたりから複雑になってきたので、貸出期限の関係で後半は斜め読みしてしまい、結局は理解不足(T_T)▼子供が興味を持つなら買ってもいいけど、数理論理学って代数や幾何解析に比べて地味だからなあ。2018/01/20
kenitirokikuti
9
図書館にて。2009年刊行。版元が東京書籍なので、教科書的なものだろうか?▲現代日本語によって数学の式を読み下すことはできても、註を付さねば正しく内容を理解することはできない。その指摘は良いのだけど、自然言語処理やるときの文法は学校文法(だいたい橋本文法)だし、チョムスキーの生成文法もベースにした説明なので、やはり古典論理学がわかるひと向けだなぁ、という印象。わたしは数学科中退なので、少なくとも数学が分からないということはない身分だ。やっぱ数学の表現を学ぶのはむつかしいよ。2018/02/17
おおカワ
8
新井紀子氏の息づかいまで感じとれる本。無機質感まったく与えない。数学がおもしろくなりそうだ。この著者の他の本もチェケラしよ。2013/08/13
海星梨
6
chapter3からわからないところがではじめ、chapter7からは完全な置いてきぼりを食らった。数列や微分など数学ⅡBができてないので当たり前である。高校数学をマスターしたあと、もう一度立ち寄りたいと思うが、いつになることやら。のんびりやります。2018/12/26
taki
5
数学は大学レベルになると、記述を記号で完結する。一生懸命読みましたが、文系頭の私には読むだけで必死になる本でした。 大学数学で使う記号や用法を最大限噛み砕いてまとめられた本であることは間違いありません。2019/07/17