兄の終い

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兄の終い

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  • サイズ 46判/ページ数 172p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784484202082
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

一刻もはやく、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう。

憎かった兄が死んだ。
残された元妻、息子、私(いもうと)
――怒り、泣き、ちょっと笑った5日間。

「わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。実は、お兄様のご遺体が本日午後、多賀城市内にて発見されました」――寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた1本の電話。それは、唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報だった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子・良一君。いまは児童相談所に保護されているという。いつかこんな日が来る予感はあった。金銭的にも精神的にも、迷惑ばかりかける人だった。二度目の離婚をし、体を壊し、仕事を失い、困窮した兄は、底から這いがることなく、一人で死んだのだ。急なことに呆然としている私に刑事は言った。「ご遺体を引き取りに塩釜署にお越しいただきたいのです」

兄は確かに優しいところもある人だった。
わかり合えなくても、嫌いきることはできない。
どこにでもいる、そんな肉親の人生を終う意味を問う。

遺体を引き取り、火葬し、ゴミ屋敷と化している兄のアパートを整理し、引き払う。そして、何より、良一君の今後のことがある。兄の人生を終うため、私(いもうと)、元妻(加奈子ちゃん)、そして息子(良一君)の5日間の修羅場が幕を開ける。

「えっ!」と思わず声が出た私に、
加奈子ちゃんは、「ほら、そっち! 早く!」と促した。
まだ心の準備ができていないんだって!

内容説明

憎かった兄が死んだ。残された元妻、息子、私―怒り、泣き、ちょっと笑った5日間の実話。

目次

プロローグ 二〇一九年十月三十日水曜日
DAY ONE 宮城県塩釜市塩釜警察署
DAY TWO 宮城県多賀城市
DAY THREE 宮城県仙台市
DAY FOUR 三週間後、宮城県多賀城市
DAY FIVE 東京
エピローグ 兄をめぐるダイアローグ

著者等紹介

村井理子[ムライリコ]
翻訳家/エッセイスト。1970年静岡県生まれ。琵琶湖のほとりで、夫、双子の息子、愛犬ハリーとともに暮らしながら、雑誌、ウェブ、新聞などに寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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trazom

174
若松英輔さんの著書で、この本を知る。宮城県警からの電話で兄が自宅で突然死したことを知らされる。嘘つきで身勝手な男だった兄。火葬、アパート整理、息子の転校手続きなどに奔走した数日間のドキュメントである。「今でも兄を許せない。でも、そんな兄の生き方を許し、肯定するたった一人の誰かに私がなろうと思う」と言えるようになるのは、多賀城で出会った人たちの優しさだったと思う。震災の悲しみを知る人たちだからこその温かさ。本書には、著者の書いたカードが挟まれている「失って初めて気づくことを 失う前に知ってほしい。村井理子」2021/10/27

モルク

153
もうかかわりを持ちたくないとずっと思っていた兄。その兄の突然の死を知らせる警察からの電話を受けた翻訳家の著者。兄の終焉の地、塩釜の隣の多賀城市に赴き葬儀、アパート、持ち物の始末、同居していた息子良一のことなど、短時間で処理しなければいけなかった数日間の記録。兄の元嫁加奈子ちゃんのてきぱきした行動や、離れて暮らしていた息子への愛情など好感が持てる。そして多賀城市の人々、とりわけ良一の学校の先生方、児童相談所の方、そして里親さんご夫妻の対応には涙が出た。そして荷物は減らし整理しておかなきゃあと強く決意した!2021/03/31

とろとろ

131
兄の急死の後始末をした5日間の記録。兄は子供の頃から頭が良く手先が器用でモテる男だったが、なぜか仕事にも結婚にも失敗し生活保護のシングルファーザーになってしまう。そして汚部屋でアルコールに溺れるうちに急死する。こういう人って結構いるのかしらと思う。なぜ転落していったのか、もっと人物像を詳しく知りたかった。兄が多賀城に移住したのは、おそらく復興特需をアテにしたのではないか。NDC分類が916?。話には善人しか出てこない。全てが結果オーライと思えるエピソードばかり。あまりにも綺麗に進んでいく話には違和感。2021/03/02

fwhd8325

128
兄と妹で真っ先に浮かぶのが、寅さんとさくら。さくらは、どんなことがあっても、お兄ちゃんと慕い、寅さんを愛し続けていました。村井さんの関係は、どちらかというと迷惑な関係で、それでも仕方なくと兄の始末を取り仕切っている。しかし、それでも兄妹。兄への思いを感じます。どこかユーモラスでいて、私の世代では他人事ではないシリアスな要素を感じます。2020/07/28

ネギっ子gen

109
【生き残っているのは私だけだ。父は30年前に、母は5年前に、そして兄まで死んだ――】村井家のもっとも騒がしい場所に置かれている遺骨の前で、“不思議な安らぎを感じている”著者は、思う。<今でも兄を許せない気持ちはある。そして、そんな気持ちを抱いているのは私だけではないと思う。/そんな兄の生き方に怒りを感じるものの、この世でたった一人であっても、兄を、その人生を、全面的に許し、肯定する人がいたのなら、兄の生涯は幸せなものだったと考えていいのではないか。だから、そのたった一人の誰かに私がなろうと思う>と……。⇒2023/03/25

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