出版社内容情報
西洋音楽史上の一大傑作でありながら、いまだ多くの謎に包まれた《ヨハネ受難曲》。度重なる改稿の末、作曲家が残したメッセージをバッハ研究の権威が読み解く。
内容説明
譜面に刻み込まれた十字架の形象。受難和音や栄光音型から浮かび上がるキリストの苦難の真の意味―18世紀ドイツの神学的背景に迫るテキスト研究と、音楽の襞に分け入る緻密な楽曲分析から名曲に秘められた謎を読み解く。
目次
第1部 イエスの受難と「ヨハネ福音書」(受難から福音書の成立まで;「ヨハネ福音書」におけるイエス;ブーゲンハーゲンの「調和福音書」;二つの同時代資料―『ライプツィヒ教会全書』と『ドレスデン賛美歌集』;ルターの受難観)
第2部 ヨハネ受難曲の歴史とバッハの上演諸稿(受難曲の前史―『ヨハネ受難曲』を中心に;『ブロッケス受難曲』とバッハ;バッハの受難曲体験と『ヨハネ受難曲』成立まで;『ヨハネ受難曲』の諸稿)
第3部 バッハ『ヨハネ受難曲』全楽曲各論(冒頭合唱曲―低さの極みの栄光;イエスの捕縛;初出の二アリア―罪の逆説と信従;ペトロの否み;進みゆく裁判;判決からゴルゴタへ;十字架上の三つの言葉、イエスの死;死後の出来事;遺体の証言、埋葬と結び;『ヨハネ受難曲』第二稿)
著者等紹介
礒山雅[イソヤマタダシ]
1946‐2018年。音楽学者。東京大学文学部および、同大学院修士・博士課程で、美学藝術学を学ぶ。学術博士(国際基督教大学)。国立音楽大学教授を経て、同音楽研究所所長、日本音楽学会会長、サントリー芸術財団理事、いずみホール音楽ディレクターなどを歴任。1988年バッハの研究により辻荘一賞受賞、1994年『マタイ受難曲』で京都音楽賞・研究部門賞受賞。第31回(2018年度)ミュージック・ペンクラブ音楽賞(研究・評論部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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bluemoon
どら猫さとっち