なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか

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  • サイズ B6判/ページ数 155p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480863980
  • NDC分類 954
  • Cコード C0010

出版社内容情報

記号と幻想の中で、オリジナルな価値は食い尽され、人間は「消滅」する――。ボードリヤールが最晩年に執筆した、現代文明への遺言。

内容説明

グローバル化とデジタル化の波に見舞われた世界のなかで、オリジナルな価値は記号と幻想に食いつくされ、リアリティは抹殺される。しかし、それですべてが終わりではない。「大消滅」の後、いったい何が起こるのか?われわれを待ち受ける、恐ろしくもグロテスクな、笑劇的未来とは?現代社会の実相を暴きだしてきた思想家ボードリヤールが、人間の行く末を予言する。最晩年に記した表題論考と「腹話術的な悪」「カーニバルとカニバル」を収録した、現代文明への遺言状ともいうべき遺稿集。

目次

なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか
カーニヴァルとカニバル
腹話術的な悪

著者等紹介

ボードリヤール,ジャン[ボードリヤール,ジャン][Baudrillard,Jean]
1929年ランス(フランス)生まれ。フランス現代思想を代表するひとり。パリ大学ナンテール校教授(社会学)。1960年代末から消費社会の記号論的分析で世界的に注目され、その後はオリジナルとコピーの対立を超えるシミュラークル概念を導入し、現実の消滅とシミュレーションの時代の到来を先駆的に論じて、広範な層に大きな影響をあたえた。9・11以降は、出来事の事後的解釈に終始する思想をラディカルに批判し、「出来事としての思想」の提案者となった

塚原史[ツカハラフミ]
1949年東京生まれ。文学修士(京都大学)。現在、早稲田大学法学部教授。専攻は、現代思想、表象文化論(ダダ・シュルレアリスム研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hajimemasite

1
ボードリヤール。生のフランスを摂取している気分。2018/01/06

つだしょ

0
これは「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」という有名な問いに類似している。ペシミスティックで、結局それではどうすればいいのかということは一切わからない、仏の学者のお家芸ではある。しかし、これはHow to本ではない。タイトル通り、消滅を仮定し考察する美しい文章で綴られた作品である。また、消滅とは「現実のあらゆるすき間で、主体が無限に分割され、意識が粉々に砕け散る連鎖反応による消滅」のこととされる。注意深く読めば読むほど、描写の機微に触れ、酔うことができるだろう。2011/07/24

ちゃん太郎

0
何も持たない者は無を取り上げられるだろう 純粋に操作的になった世界は我々によって表象される必要がないし、世界の表象自体が存在しないだろう 資本が現実となり、現実を創り出した。さらに資本は発展した形態をとるとますます抽象化を強め、資本自体を消滅するとともに現実そのものを消滅させてしまった2021/04/11

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