出版社内容情報
産業革命は暮らしの質を高めようと西洋の各世帯内で行われた労働力の再配置と消費内容の見直し=「勤勉革命」がもたらした! 西洋史研究の最新成果を初邦訳。
内容説明
エンクロージャーによる新たな労働者層の誕生や安価な石炭の存在など、工業化に必要な要素がそろっていたとしても、それを実行に移すモチベーションがなければ、産業革命など起こるはずがない。本書は、これまで一貫して、この歴史学の空白地帯であったモチベーション―「消費願望」―について考察を展開してきた第一人者による、画期的研究である。産業革命はヨーロッパ世界を経済発展に導く契機となったが、それには人々の消費行動を変えた「勤勉革命」(Industrious Revolution)と呼ぶべき、産業革命に先行する社会現象がきわめて重要な役割を担っていた。そう、「あれも欲しい、これも欲しい」という人間の欲望の高まりが現金収入の必要性を生み、人々を労働市場に駆り立て、産業革命のうねりを作り出したのである。
目次
第1章 「長い一八世紀」における消費者の欲望の転換
第2章 勤勉革命の歴史的起源
第3章 勤勉革命―労働力の供給
第4章 勤勉革命―消費需要
第5章 大黒柱と内助の功
第6章 第二次勤勉革命
著者等紹介
ド・フリース,ヤン[ドフリース,ヤン] [de Vries,Jan]
カリフォニア大学バークレー校歴史学部・経済学部名誉教授。専門はヨーロッパ経済史、オランダ経済史。数量分析と新古典派理論を用い、近世史研究の第一線で活躍し続けている。1998年に、A・ファン・デァ・ワウデとの共著『最初の近代経済―オランダ経済の成功・失敗と持続力1500‐1815』(名古屋大学出版会より2009年に邦訳出版)でアメリカ経済史学会のジョルジ・ラーンキ賞を受賞、2000年に、ヨーロッパ経済史の先駆的な研究により、ハイネケン賞(歴史学部門)を受賞した
吉田敦[ヨシダアツシ]
千葉商科大学人間社会学部准教授。商学博士。専門は国際貿易論、国際経済学
東風谷太一[コチヤタイチ]
東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。東京外国語大学大学院総合国際学研究科研究員。学術博士。専門はドイツ近代史、歴史学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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