家(チベ)の歴史を書く

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480818485
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「私の家族はいつどのように、どうして日本へとやってきたのか。その後どうやって生きたのか」社会学者による生活史記述の試み。

朴 沙羅[パク サラ]
著・文・その他

内容説明

「私の家族は、いつどうやって、なぜ日本に来たのだろう」「個人の人生を、どうしたら歴史として残せるのだろう」家族への親愛と歴史への洞察に満ちた、ある家の記録。

目次

第1章 生活史を書く
第2章 誰も知らない―李延奎伯父さん
第3章 めっちゃええ場所―朴貞姫伯母さん
第4章 親族の中心―朴誠奎伯父さん
第5章 わからへんこと―朴俊子伯母さん
第6章 美しい済州(アルムダウン・チェジュ)

著者等紹介

朴沙羅[パクサラ]
1984年生まれ。専攻は歴史社会学。立命館大学国際関係学部准教授を経て神戸大学大学院国際文化学研究科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

93
生活史の魅力はそこに生きた人々のリアルな息づかいや魂を感じられることである。教科書のような年表に毛が生えたような説明だと生き様の見えない乾燥したものになってしまうから。美しい済州はみないなくなってしまった寂寞からの浄化なのかも。済州島から視る日本史、韓国史も面白い。密航は唯一の命綱だった。2021/02/05

しゃが

53
記憶がキーワードの本が読み続いた。「家族はいつどうやってなぜ日本に来たのだろう」、済州島から来た9人の伯父伯母を持つ著者は在日三世。祖父母を含めた彼らの生活史を表しながら、記憶とは、当事者たちが体感した歴史を提示。知らないことばかり、済州島での生活、四・三事件、繰り返す密航のやりかたとその後の顛末、在日としての暮らしや思い、一族の関係性、済州島の今…、日本統治や四・三事件の虐殺がなければ、家族たちは日本に来ただろうかと読後も疑問が湧く。彼らにも著者にも済州島は家族と歴史の記憶の場であったが今との繋がりは?2018/10/30

あじ

41
歴史社会学の観点を基本としつつ、朴一族の地続きの生活史としてまとめた『家(チベ)の歴史』。朴さんの父は在日コリアン二世、母は日本人である。父方の伯父さん伯母さんの断片的な記憶から、朴さんが歴史的な文脈を当て嵌め、注意深く根気を持って取り組んでいる姿が印象的だ。「済州四・三事件」や「密航」という遠い出来事が、口述のリアリティーさで展開する。─私たちにはそれぞれに家族の歴史が存在する。回想に寄り添い想起を促す輪を手繰り寄せ、我が家に刻まれた“時の断片”に立ち会ってみたくなった。2018/09/13

ぶんこ

38
この本を最後まで読めた読者の方々に脱帽。しかも面白いと感じられた方もいらっしゃいました。私は2/3まで読むのが精一杯でした。戦中戦後ですから、韓国だけではなく日本も同じような悲惨な状態がそこかしこにあったはず。そう思っても著者の力でしょうか、読んでいるとズシンズシンと骨身にこたえるようで辛い。気性の激しい人も多く、いたたまれない気がして拒否反応が増す。特に済州島という韓国本土から離れた島という特性もあって、本土の人との軋轢、日本へ逃げるようにして出て行かざるを得ない人。私には重すぎました。2023/03/03

ばんだねいっぺい

20
家族の生活史をインタビューしてゆくわけだが、同じことをぜんぜん異なる質感で捉えていたり、また、読者としては、書き手とインタビュー相手にしか通じないコトバで意味をとるのに苦労したり、諦めるしかないところが、ふむふむと面白かった。背後には歴史の凄惨な事件もあったが、これは、また、別の本を読みたい。2023/11/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13118252
  • ご注意事項