内容説明
川田幸代。29歳。会社員。腐女子。社の秘められた過去に挑む―。本間課長は言った。「社史編纂室でも、同人誌を作ろう!」その真意はいかに?風雲急を告げる社史編纂室。恋の行方と友情の行方は、五里霧中。さらには、コミケで人気の幸代の小説も、混乱に混乱を!?これでいいのか?わたしの人生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
482
BLオタク・専務秘書との恋で左遷された男等、ひと癖もふた癖もあるメンバーが集まった社史編纂室、ひょんなことから会社の暗い過去を同人誌発行に事寄せて暴こうとドタバタ劇を展開、昔やってたTVドラマ「ショムニ」を連想して笑っちゃいました <(^_^; しをんさんお得意のワールドですねぇ!!(笑)2010/10/07
hiro
452
駅伝、便利屋、文楽、林業の小説とエッセイを10冊以上読んだが、今回は、下ネタも多く、いつもよりに軽めで、BLがよく出てくるいつものエッセイのノリかと思って読み出した。はじめは、ショムニと社編のイメージが重なり、影の薄い課長、やる気の無い社員達でどんな物語になるのかと思ったが、みんなが「高度経済成長期の穴」を調べだしてから、急に面白くなった。「まほろ」や「風が」には及ばないが、仕事に疲れたらときにはちょうどいい小説だと思う。ただ、腐女子幸代の同人誌に出すBLの小説が出てくるが、これは読みたくなかった(笑)2011/10/10
とら
398
しをんさんこの本は本当に楽しんで書いただろうなあ。だって趣味全開じゃない!同人誌ねえ(笑)ここだけの話、その同人誌の一大イベントである夏コミ、冬コミ共に友達に連れられて行ったことがあるのです(笑)もう物凄い人ですよ。東京ビックサイトで、始発に乗って、それでも沢山人がいるわけですよ。そう、みんな、そのイベントを楽しみにしてるんです。長いこと並んでグッズ変えたーっ!って喜ぶんです。なんか見てるこっちまで嬉しくなってきちゃう。表紙からは想像出来なかったなこの内容!しをんさんに、より親近感を覚えた一冊でした^^♪2013/02/15
そのぼん
353
まさかの腐女子が主人公…。ビックリでした。そして、途中、同人誌のボーイズラヴの作品が作品内で展開されていくのも衝撃でした。会社内で、ボーイズラヴを含む同人誌や腐女子の会話が成立する…。現実ではあり得ないかと思いますが、クスッと笑えるところもあり、楽しめました。2011/12/27
ドナルド@灯れ松明の火
347
しをん3作目。あっという間に読了。おそらく企業内で閑職とみなされている社史編纂室を舞台に、会社の過去の暗い裏歴史を暴いて記載しようとする編纂室メンバの健闘ぶりが、腐女子の作る同人誌や、メンバの恋愛とからめて描かれていて面白い。実際に高度成長期に、サリメニの女神のような話は確実にあっただろうと思われる。それをテーマにしたしをんが凄い。2011/09/28