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ちくま文庫
原子力戦争

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480428462
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0160

出版社内容情報

福島原発の事故はすでに起こっていた? 原子力船「むつ」の放射線漏れを背景に、巨大利権が優先される構造を鋭く衝いた迫真のドキュメント・ノベル!

内容説明

福島原発の事故はすでに起こっていた?七〇年代、原子力船「むつ」の放射線漏れ事件を背景に、安全よりも巨大利権が優先される過程を鋭く衝いたドキュメント・ノベル!官僚と電力会社の主導権争い。アメリカをはじめとする諸外国の思惑。怪しい動きを見せるメディアや広告代理店。受け入れをめぐって揺れる地元と住民運動。そして下請け労働者の過酷な現実。これはすでに「戦争」なのだ。

目次

公害の未来地図
「貴族の館」の老人
企業からの宣戦布告
デッド・コピー
安全論争
技術者の夢
「むつ」逼塞
タカの目
美浜一号炉の怪
柔和な微笑〔ほか〕

著者等紹介

田原総一朗[タハラソウイチロウ]
1934年滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、テレビ東京を経て、77年フリーに。02年早稲田大学で「大隈塾」を開講し、05年より早稲田大学特命教授。活字と放送の両メディアで精力的な評論活動を続けている。98年にはギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ikuto Nagura

3
76年発表のドキュメント小説。「反企業、反資本主義の政治運動をどう分断し、攪乱し、粉砕するか、戦争なんだよ。戦争だからこそ金になる。戦争とは、汚くて危ないからこそ儲かるんだ」原発関連企業と官僚は、金儲けのための戦争として原発を推進していた。一方の反対派は戦争とまで認識してたろうか。少なくとも社会党と共産党にそんな覚悟はあるまい。だからこそ、彼らを止められず、福島事故は必然となったのだ。また、本書で推進派が使う詭弁に何度も「暗闇の思想」が使われるのに、松下竜一の影響力の大きさを知る。締めの解説は野坂昭如…。2015/12/16

ゆきまさくん

2
これは古く1976年に出版されたもので、2011.3.11に再出版されたもの。 1970年代の原子力船むつの放射線漏れ事件を背景に、原子力推進派と反対派、官僚と民間の主導争いを綴ったドキュメントノベル。 しかし、この40年もの間、時代や技術は変わってきたが、原子力を取り巻く環境や争点は基本的に変わらないんだなと実感。 当時、著者がこれをまとめたことは慧眼。 2018/07/15

Hiroshi

2
1976年より雑誌に連載されたもの。原子力船「むつ」が放射線漏れ事故をおこした。その後の1年間の原子力の推進派・反対派の動きをルポしたドキュメント・ノベル。凄い本だ。九電体制と電源開発。電力会社と通産省との電力の指導権争いだ。一方公害問題で実力をつけた市民運動。原発に対して反対運動をおこした。新しい原発が作れない電力会社。通産省が労組や広告代理店を使って反原発運動潰しをする。GEとWHの原子炉の販売競争。互いに相手の炉の欠点をばらまきつぶし合う。更に西独やカナダも参戦。様々な人が必死で戦う。だから戦争だ。2016/03/17

jiangkou

2
3.11以降なぜ日本に多くの原発があるのか。なぜ処理できない廃棄物を産む施設を、しかも自前の技術ではなく運用しているのか疑問に思う人も多いかと思います。そういう疑問の一端に答えるルポ小説。あわせて日経で連載されていた原発導入の歴史記事を読むことをオススメします。2015/08/04

daichan

1
僕は原発は動かしたほうが良いと考えるけど、そういう主義主張に関係なく、この人は本当にすごいと思う。これぞジャーナリズム。2017/04/22

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