内容説明
三歳で吉原「松葉屋」の養女になった少女の半生を通して語られる、「吉原」の移り変わりの記録。徳川時代、官許の遊郭として発祥した吉原は第二次大戦中、女たちが軍に徴発され、戦後は占領軍対策にあてられ、売春防止法によって、終焉を迎えた。家の貧困を身一つにひき受けて吉原に来た娘たち、廓で働く人びとの姿、廓の華やぎや情緒を、暖かい眼差しで写しとる。
目次
1章 吉原遊廓(私の生いたち;引手茶屋の跡取りとして ほか)
2章 私が松葉屋に来たころ(女性の純潔が尊ばれた時代;昭和恐慌と吉原 ほか)
3章 戦時下に生きた吉原の女たち(非常時のかけ声の中で;松葉屋の周辺 ほか)
4章 民主主義の時代と吉原(進駐軍と慰安所;赤線の誕生 ほか)
5章 新しい時代に向かって(赤線の中で松葉屋を続ける;「はとバス」コースにのる ほか)
著者等紹介
福田利子[フクダトシコ]
大正9年東京生まれ。3歳のときに、吉原の引手茶屋「松葉屋」の養女となる。昭和13年、東京府立第一高等女学校を卒業後、養母の仕事を手伝いながら、茶屋の女将として仕込まれる。昭和26年、養母亡きあと、料亭「松葉屋」の女将を引き継ぐ。昭和33年の売春防止法施行後は、作家・久保田万太郎の支援を受け、花魁道中を復活。「はとバス」の夜のお江戸コースの中で、昔の吉原情緒を垣間見ることができた。松葉屋は平成10年惜しまれつつ廃業。平成17年、85歳で没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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