ちくま文庫
北一輝論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 411p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426826
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0123

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

北一輝は1883年、新潟県佐渡島に生まれ、2・26事件に連座して1937年、処刑された。外見的には社会主義者として出発し、国家主義を掲げて非業の最期を遂げた異色の思想家として語られるが、その思想の実体についてはなお多くの論議を呼んでいる。『昭和史発掘』を通じて2・26事件の全体像を精密に描き出した著者が、ヤヌスのような「革命家」の肖像を浮き彫りにする。

目次

1 北一輝解釈と時代背景
2 「国体論」の粉本
3 史的「乱臣賊子」論
4 明治天皇と天智天皇
5 「改造法案」の自注
6 その行動軌跡の示すもの
7 北一輝と西田税
8 決行前後
9 断罪の論理
対談 ある国家主義者の原像(久野収・松本清張)

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
1909‐92年。福岡県生まれ。1928年、印刷所に見習いとして就職する。1950年「西郷札」を発表し、53年「或る「小倉日記」伝」で芥川賞を受賞する。1956年、20年近く勤めた朝日新聞社を退社。社会派推理小説ブームのきっかけとなった「点と線」を発表し、一方で「日本の黒い霧」「昭和史発掘」などの歴史評論を精力的に執筆した。吉川英治文学賞、朝日賞、菊池寛賞、NHK放送文化賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Ikuto Nagura

2
昭和50年頃に北一輝ブームがあったなんて初めて知った。きっと、当時の新左翼の行き詰まりと関係しているんだろう。そんなブームの中で書かれた清張の北一輝論は、かなり辛辣。昭和維新の思想的支柱として226事件を指導したなんていうのは全くの虚像で、単なる政治恐喝屋だったと切り捨てる。何でこんなに批判的なのか考えると、本書前半で分析される『国体および純正社会主義』の「乱臣賊子論」が、実は清張の歴史観に影響を与えたからではないかと邪推してみる。若き北の慧眼が、労働者・農民に向かなかったのを惜しんでるんじゃなかろうか。2015/11/26

bittersweet symphony

2
前半は北の著作を批判的に検証、後半は刑死するまでの北の動静を批判的に追いかけたもの、要するに三島の自決などで過大に評価されていたらしい二・二六や北に対する評価の揺り戻しを企図したものであったようです。 個人的には二・二六の青年将校たちが持っていた主に東北の貧困層に対するシンパシーについて北については松本が明確に否定しているところが今までに持っていた認識と食い違っていてちとショック。何となれば、そこが北に対する(広くは戦前右翼に対する)評価の寄って立つところという感を持っていたので。 2014/11/20

ダージリン

0
北一輝は、昔、手塚治虫の一輝まんだらを読んで以来関心を持っていたのだが、どうにも掴み所がない。具体的に彼は何を目指していたのだろうかが良く分からない。他の人の本も読んでみたいところだ。2011/09/20

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