ちくま学芸文庫<br> 貨幣と欲望―資本主義の精神解剖学

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貨幣と欲望―資本主義の精神解剖学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 445p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480095619
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0130

出版社内容情報

無限に増殖する人間の欲望と貨幣を動かすものは何か。経済史、思想史的観点から多角的に迫り、グローバル資本主義を根源から考察する。

内容説明

今なぜグローバル経済は、きわめて不安定化しているのか。その深層には、限りなく増殖し続けている人間の欲望と貨幣の作用の存在がある。そしてそれらを突き動かしているものは、経済学だけではとうてい理解できない。フロイトやラカンの精神分析、ニーチェやハイデッガーの哲学的議論、さらにウェーバーやゾンバルトの社会学―これらを総合し、資本主義の誕生から現代に至るまでの経済を、単なる経済現象としてだけでなく、人間精神の表現として捉え直す。現代資本主義を根源から批判的に考察する「精神解剖学」の試み。

目次

序章 市場主義に抗して
第1章 重商主義者のつかの間の夢
第2章 ジョン・ローと「資本主義」の発見
第3章 二人の「錬金術師」―ジョン・ローとニュートン
第4章 “市民的資本主義”と悪魔の貨幣―ウェーバーとプロテスタンティズム
第5章 「罪の意識」と“ユダヤ的資本主義”―ウェーバー、ニーチェ、フロイト
第6章 ユダヤ人と「余計なもの」―“ユダヤ的資本主義”から帝国主義へ
第7章 「主体なき欲望」と貨幣―“分裂症的資本主義”の成立
第8章 「過剰」と「退屈」のグローバル資本主義
終章 「大地」と「世界」の抗争―結論的覚え書き
補論

著者等紹介

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は社会経済学・経済思想史。著書に『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

14
2000年初出。倫理なき資本主義(030頁~)。だからこそ、倫理的消費者とかフェア・トレードというオルタナティヴが出ているのである。責任ある消費は未来への責務。東電の原発事故の不透明性は倫理なき資本主義そのもの。市民的資本主義とは、合理的経営と勤勉労働の職業倫理をもつ(155頁)。倫理に裏付けられた性質をもつ。資本主義に形容されることばがいくつもあるのは承知しているが、市民が市場を制御できる資本主義は困難であろう。アメリカ型資本主義(354頁)を進めるTPPであろうが、日本の市民に情報は伝わらぬ密室交渉。2013/07/06

またの名

12
錬金術師というかもはや詐欺師めいたジョン・ローが自己を自己言及的に担保にして価値を生む価値、つまり貨幣を生む貨幣というチートを編み出した時から始まる資本主義の壮大な発展を、精神分析や哲学に頼りながら読解。土地等の実体に根拠を求めなくなった貨幣は物質から遊離しそれが影響を及ぼす全ての実体を流動させ、人間存在を自分が根付く伝統や故郷から切り離す。存在の空虚に直面する不安を、対象aたる貨幣に欲望の流れを注ぎ続ける消費の連鎖によって埋めるサイクルを維持するため、欲望は無限だという「錯覚」が人々を追い立てると整理。2024/01/04

やまやま

9
まずは重商主義を超えた重商主義者としてジョン・ローを考察する。兌換紙幣というアイデアの説明は岩井先生のものなどとそう違いはない―貨幣は貨幣であるゆえに貨幣であるーが、それと合わせてローには貨幣はモノと同じ資格で交換されると考えている面があると指摘する。その証拠は、土地を貨幣の基礎にという意図があったからとする。貨幣は交換の手段なのか実価値なのか、金銀という物質を目前に、それは貨幣でありつつ価値の変動があるモノ、その交換の解釈が重商主義的思考と古典派的思考との分水嶺となる、と書けば市場のモデルの変遷である。2021/02/14

はすのこ

8
試み自体は面白いし、トランスクリティークに似た重厚さを感じたが、精神分析関連タームを引用しているのに、ラカン的結論にならないのは意外。2017/01/11

ドクターK(仮)

3
新自由主義的な経済学やグローバル資本主義を批判する論者は(いわゆる「リベラル派」を中心に)珍しくない。しかし、資本主義を突き動かす人間の精神作用にまで立ち入る本書は、その中で異彩を放っている。著者は、「保守派」で「経済学者」という肩書きも持っているが、そんなカテゴリーには治らない稀有な「思想家」だと言える。ウェーバーやフロイトを引用しつつ、宗教や精神分析まで論じていく本書は、「広く、浅く」でも「狭く、深く」でもなく、「広く、深く」を体現したような本である。2015/08/29

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