出版社内容情報
称徳天皇に重用された奈良時代の僧侶、道鏡は本当に女帝に取り入り皇位さえうかがう野心家だったのか。様々な謎に包まれ悪評にまみれた時代の寵児の実像に迫る。
内容説明
女帝・称徳天皇に取り立てられ重用された奈良時代の僧侶、道鏡(?~七七二年)。女帝に取り入って皇位さえうかがった野心家として、長く悪名が根付いているが、本当にそのような人物だったのだろうか。さまざまな伝説を検証し、最新資料を検討すると、道鏡は実際には政治に関与することなく、天皇への仏教指導に終始した人物としての意外な実像が見えてくる。史料の綿密な検討によって、謎が多く、悪評にまみれた時代の寵児の実像に迫るとともに、古代政治の実態を描き出す。
目次
第1章 うわさの道鏡(道鏡の生年;道鏡同衾伝説;称徳女帝淫猥伝説;歴史と伝説の間)
第2章 仏教との出会い(道鏡の出自;道鏡の仏教)
第3章 道鏡と律令国家(称徳天皇の即位事情;称徳天皇との出会い;藤原仲麻呂の乱と淳仁天皇廃帝)
第4章 称徳朝政治と道鏡(大臣禅師・太政大臣禅師・法王;太政官政治と道鏡;西大寺の創建と道鏡;宇佐八幡託宣と道鏡)
第5章 称徳天皇の崩御と道鏡の左遷(称徳天皇の晩年;道鏡の左遷と死去)
著者等紹介
寺西貞弘[テラニシサダヒロ]
1953年生まれ。元和歌山市立博物館館長。関西大学大学院博士課程後期課程満期退学。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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