出版社内容情報
一九一四年にアジア太平洋で起きた悲劇「駒形丸事件」。あまり知られていないこの事件を通して、ミクロな地域史からグローバルな世界史までを総合的に展望する。
内容説明
一九一四年にカナダ・バンクーバーで起きた「駒形丸事件」。インド人移民の上陸が拒否され、多数の死者をコルカタで出した悲劇である。日本ではほとんど知られていない「駒形丸事件」であるが、この小さな事件を通して歴史を眺めると、ミクロな地域史からグローバルな世界史までを総合的に展望できる。移民史・政治史・経済史を融合させることで、インド太平洋からの新しい世界史像を提示するグローバルヒストリーの画期的な成果。
目次
第1章 一九‐二〇世紀転換期の世界とイギリス帝国の連鎖(イギリス帝国の構造;「アジア間貿易」の形成と移民;日英同盟とインド太平洋世界;「帝国臣民」としてのインド人移民―南アフリカにおけるガンディー)
第2章 インド・中国・日本―駒形丸の登場(中国人・日本人移民の排斥;インド人移民排斥―「連続航路規定」;グルディット・シンの事業計画と日本帝国)
第3章 バンクーバーでの屈辱―駒形丸事件(上陸拒否;裁判;強圧と抵抗;退去;駒形丸退去後のカナダ)
第4章 駒形丸事件の波紋(寄港地日本での駒形丸―横浜から神戸へ;「コルカタの悲劇」―バッジ・バッジ騒乱;「駒形丸事件」からアムリトサルの虐殺へ)
終章 インド太平洋世界の形成と移民(港湾都市のネットワークとトランス・ナショナリズム;「帝国臣民」の論理・再考)
著者等紹介
秋田茂[アキタシゲル]
1958年生まれ。英国史。大阪大学教授。著書に、『イギリス帝国とアジア国際秩序』(名古屋大学出版会、大平正芳記念賞受賞)『大英帝国の歴史』(中公新書、吉野作造賞受賞)などがある
細川道久[ホソカワミチヒサ]
1959年生まれ。カナダ史、イギリス帝国史。鹿児島大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
MUNEKAZ
まふ
鈴木貴博
ワッキー提督