出版社内容情報
中国の実像を政治史、文化、思想、社会、軍事などの専門家がわかりやすく解説。歴史から最新情勢までバランスよく理解できる入門書。
光田 剛[ミツタ ツヨシ]
内容説明
中国は理解しにくい。だが理解せずにすむ時代は終わった。変化が速すぎる一方で、伝統中国もまだかなり残る。漢民族が圧倒的に見えても、国土は広く、民族的多様性も無視できない。中間層は増えたが地域間、社会階層間の経済格差も大きい。いったいどの中国が正しい姿なのか。専門研究者・ジャーナリストによる中国研究の最新結果を結集し、中国をバランスよく見る視座を示す。現代史、文化史、思想、社会、軍事、地域研究など分野を異にする十一人が、明快で多彩な講義を繰り広げる。
目次
1 中国の内側(現代中国の成り立ち;現代中国の諸相;伝統文化の過去と現在;忘れられた国家、中華民国)
2 中国と外部世界(中国は世界にどう向き合っているか;日本と中国;南島地域と中国;中華世界)
著者等紹介
光田剛[ミツタツヨシ]
1965年生まれ。成蹊大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。専門は中国近代政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
29
成蹊大学の寄付講座がベースとなったもので、12名の著者による、現代中国の略史、文化、経済、政治、外交、軍事などについての概略を集めたもの。入門書というが間口はかなり広く、映画や絵画、南東地域との関係と多角的かつ複眼的に中国を捉えることができる良書だ。政治的にもニュートラルな印象が強く、中国を過小にも過大にも評価していないと言えよう。個人的には外交、台湾や沖縄と中国との関係の諸章が面白かった。特に沖縄は尖閣問題も含み、その関係史は『硫黄島』に繋がるので併読してよかった。あとは香港についての章が欲しかった。2019/02/16
ホシ
16
昨年末、中国人留学生と酒を酌み交わした。彼は留学して初めて、それまで知らなかった中国の姿を知ったらしい(天安門事件然り)。私の事も初対面時は「天皇を信奉するナショナリスト」と思っていたという(笑)。彼は「習近平は暴君だ!」とも。「そんな事、中国で言えるの?」と尋ねたら、やはり「言える訳ない!」と答えた。答えの予想はついたものの、中国の現実を目の当たりに出来たのは貴重だったな。広大な国土に数多の人。そして、多民族国家。地域や世代で異なる事も多し。理解は簡単じゃないよね。もっと多くの中国人と話がしてみたい。2018/01/09
ひよピパパ
14
激変する現代にあって、この手の本は、少し時間がたつと情報が一瞬にして古く感じられてしまい、顧みられなくなりがちであるが、本書は、そういった本と一線を画している。習近平政権のことや今現に「ある」中国に繋がるキーワードに関する専門家の鋭い論攷が数多く収められており、その主張に納得させられるところが多い。2023/07/01
さとうしん
7
中国の歴史・現代文化・対外政策・国防・尖閣問題・台湾等々専門の研究者が各項目について語るというオムニバスだが、ここに書き切れないほど示唆に富む議論が多い。書店でケント・ギルバートの新書の隣にしれっと並べて欲しい一冊。ただ、経済政策や少数民族問題など触れられていない事項も多々残されているので、是非とも第二弾を期待したい。2017/05/13
ごんちゃん
5
中国という大国を色んな切り口から解説。複数人が書いてるので、読みやすい章、面白い章、解りにくく寝落ちする章がありましたが、日本と中国の深い深い繋がりを再認識致しました。コレは自信をもっておススメ出来る良書。2022/07/29