ちくま新書
それでも子どもは減っていく

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480065179
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0236

出版社内容情報

出生率低下は成熟社会に伴う必然。しかし当の子どもにとって「少なく生まれること」の意味は何か?子ども学第一人者による少子化論。

内容説明

出生率低下は成熟社会に伴う必然。それにもかかわらず為政者は子どもを未来の「労働力=納税者」として増やそうとする。本書が明らかにするのは、そうした思惑とは裏腹に、産むことを拒み、あるいは少なく産むことを望んでいる女性たちの実態であり、また、「いま、子どもである人々」の存在意義である。少子社会はその当事者にとってどのような意味を持つのか、「子ども学」の第一人者が展望する。

目次

第1章 花開く「少子化論争」(働く女性の支援と「少子化対策」―初期の方針;「多産奨励対策」への批判;人口減少社会の制度設計;少子化を受け止めて;産まない選択をする人々;現行の「少子化論争」をめぐって)
第2章 「子ども削減」の系譜(近代以前の「子ども削減」策;近代以降の問題)
第3章 女性と母性の拮抗(女性にとっての「子ども」―「私的所有物」か「公共的財産」か;底辺層からの声;母性観の現代)
第4章 「子どもの発見」と児童の世紀(「科学」される子ども;「学校の生徒」となる子ども;「数字」で計られる子ども;「子ども消費者」の発見;「死なない子ども」の誕生)
第5章 「子ども」の存在意義(「効用」という尺度で計られるとき;当事者として「いま、子どもであること」)

著者等紹介

本田和子[ホンダマスコ]
1931年生まれ。元お茶の水女子大学初代女性学長。お茶の水女子大学名誉教授。児童学、児童文化論、児童社会史専攻。児童研究の史的検討、20世紀子ども観、特に、児童中心主義・学校化社会・優生学の複合連環、「少女というカテゴリー」の生成と消長などが研究テーマ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

18
子どもを労働力として考えていた時代から、現代における「消費者」、そして将来経済的効用をもたらす存在となった子どもという認識に変わる流れを紹介し、少子化問題の論点はずれていないか、子どもの本質、産む女性の本質はどこにあるのかを問いかけている。おっしゃりたいことはわかる。ただ、論点が大きく、また多すぎてちょっと焦点がぼけてしまっているかな、と感じた。私の理解力の問題かもしれないので、申し訳ない読者だったかも。2014/04/05

REI

3
現代の少子化を、歴史や女性の生き方、子どもの世界など、あらゆる角度から論じている。中でも、「子どもは将来の年金制度を維持するためだけに生まれてくるものでもない。経済的問題を解決させるための少子化対策であれば、この日本は将来、経済効果以外の価値を見いだせない、ということ」経済成長せずとも、人々が穏やかに暮らせる国になるといいのですが。色々と考えさせられる内容です。2016/02/08

銀木犀

3
文明が発達すると産む・産まないの選択が自分でできるうえ、産むとしても「少なく産み、良く育てる」方向になるのは当然の流れ。まあそうだよなあ。しかも、高齢社会で子供が育つ未来の展望も明るく感じられない。ううーん、少子化対策って子供手当くらいじゃ無理なのでは?と思わずにいられない。そもそも子供とは産めって政府に言われて産むものだろうか。2010/07/06

ときどきぷろぐらま。

3
今も昔も働く母は大変なんですよね。私自身は少なく生んで良く育てたいと思っちゃうけど。幼保一元化、復活してくれないかな。働く母も、いつ職を失うかひやひやしてるんです。2010/01/24

むつの花

2
一般的な少子化論は、「多産奨励対策」と「少子社会の構築」に二分できる。本書は、一般的は少子化論に対し、女性が「産まない選択」をすることの意味・理由と、「少なく産まれた」子どもたちの生きることの意味とを考えるべきだと主張する。女性に出産の選択権があること、子どもを将来の労働人口・納税者として見ず、存在意義を多様にとらえることは大切だが、増加する高齢者をいかに支えていくのか?著者は小塩隆士氏の高齢者間での所得移転を行うとの提言をとりあげているが、果たして可能か?高齢者の実態も明らかにする必要があると思う。2014/11/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/400614
  • ご注意事項