出版社内容情報
出生率低下は成熟社会に伴う必然。しかし当の子どもにとって「少なく生まれること」の意味は何か?子ども学第一人者による少子化論。
内容説明
出生率低下は成熟社会に伴う必然。それにもかかわらず為政者は子どもを未来の「労働力=納税者」として増やそうとする。本書が明らかにするのは、そうした思惑とは裏腹に、産むことを拒み、あるいは少なく産むことを望んでいる女性たちの実態であり、また、「いま、子どもである人々」の存在意義である。少子社会はその当事者にとってどのような意味を持つのか、「子ども学」の第一人者が展望する。
目次
第1章 花開く「少子化論争」(働く女性の支援と「少子化対策」―初期の方針;「多産奨励対策」への批判;人口減少社会の制度設計;少子化を受け止めて;産まない選択をする人々;現行の「少子化論争」をめぐって)
第2章 「子ども削減」の系譜(近代以前の「子ども削減」策;近代以降の問題)
第3章 女性と母性の拮抗(女性にとっての「子ども」―「私的所有物」か「公共的財産」か;底辺層からの声;母性観の現代)
第4章 「子どもの発見」と児童の世紀(「科学」される子ども;「学校の生徒」となる子ども;「数字」で計られる子ども;「子ども消費者」の発見;「死なない子ども」の誕生)
第5章 「子ども」の存在意義(「効用」という尺度で計られるとき;当事者として「いま、子どもであること」)
著者等紹介
本田和子[ホンダマスコ]
1931年生まれ。元お茶の水女子大学初代女性学長。お茶の水女子大学名誉教授。児童学、児童文化論、児童社会史専攻。児童研究の史的検討、20世紀子ども観、特に、児童中心主義・学校化社会・優生学の複合連環、「少女というカテゴリー」の生成と消長などが研究テーマ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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