ちくま新書
感じない男

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  • サイズ 新書判/ページ数 181p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480062215
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0236

内容説明

一人でした後の、何とも言えないむなしさ。なのにまたしてしまうという、厄介さ。実は男は、根っこのところで「感じていない」のではないか。だからこそ制服少女を目にしてはゾクッとし、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませてしまうのではないか。にもかかわらず、多くの男が自分の「不感症」に気づかずにいるのは、なぜか。この問いに答えるべく本書は、著者自らの体験を深く掘り下げながら、問題のありかを探っていく。禁断のテーマに真正面から挑み、「男の性」を根本から問い直す、衝撃のセクシュアリティ論。

目次

第1章 ミニスカートさえあれば生身の女はいらない!?(「男とはこういうもの」という言い方の嘘;ミニスカをめぐる男女のすれ違い ほか)
第2章 「男の不感症」に目を背ける男たち(「男の不感症」とは何か;「溜まってくる」感覚を分析する ほか)
第3章 私はなぜ制服に惹かれるのか(制服に惹かれる男たち、その「心の構造」;制服少女に「学校」を透かし見る ほか)
第4章 ロリコン男の心理に分け入る(ロリコン大国ニッポンの深層;「少女」を巧みにパッケージする大人たち ほか)
第5章 脱「感じない男」に向けて(「射精」体験と自己否定の感覚;私はいかにして「感じない男」になったか ほか)

著者等紹介

森岡正博[モリオカマサヒロ]
1958年高知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得(倫理学)。大阪府立大学総合科学部教授。生命学・哲学・科学論をテーマとし、人文諸学を大胆に横断しつつ、自らを棚上げすることなく思考を展開している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

48
男性の性的快感と女性のそれに対する認識にあまりにも差がありすぎて、絶望的な断絶感しか持てなかった。2016/02/18

踊る猫

31
エビデンスなんてどこ吹く風といった感じで、著者は主観から己の欲望や実体験をこれでもかと書きつけていく(むろん意図的・戦略的に)。したがって社会学あるいはフェミニズムの観点からすればツッコミどころ満載なのだけれど、ぼくはむしろその蛮勇にいかなる意味におけるイヤミもなく感服する。ここまで自分を晒し、かつ極論・暴論に陥ることなくこの世界にふたたび軟着陸する己の成熟・成長の過程を示すのはそのまま著者の人間力の表れでもあると思うのだ。古い本だが、本田透『電波男』『萌える男』とは別のかたちで男の苦しみを描いた実録文学2024/01/24

チェ・ブンブン

23
妄想する男は感じているようで感じていない。想像以上にアイドルやアニメ文化に仕組まれたサブミナル効果を論理的に語る本だった。俺もある意味アダルト映画に快感を得ている点感じない男だな。2014/07/03

nbhd

17
こりゃ、すごい本だ。大学教授が「えっ、そこまで言っちゃう?」っていう域まで「男の性」を掘り下げる。「オレの射精の社会心理学的探究」とも言えそうだ。著者によると、男性がもつ女性への支配欲の土台にあるのは、女性が得るようなオーガズムには達しえない男の気後れや、ゆがんだ射精体験の痛みの反動だという。ほかにも、ミニスカへの愛着やロリコン感覚など、男としての“自分を棚に上げずに、まな板にのせた”その探究は、すべてが共感できるものではないけど、己が身に刃を突き立てる著者のスタンスにシビれた。2021/01/21

ochatomo

15
「性なる家族」で言及あった、男性哲学者が自分の性意識を深堀りする画期的な一冊 『射精は単なる排出』『自分の体は汚いという意識』『間違って“男の体”になったという思い』 ロリコンを(イニモニMV等へ警鐘あり)『自分の体を自己肯定し、精神上の自立という内面の自由をも獲得』と分析する 自己否定の感覚を知り清潔にこだわる点に納得 『女の快感を支配したり、コントロールすることによって、女よりも優位に立とうとする』表面上の自信が崩れた時の暴走危険性を指摘 “男の不感症”を素直に認め、肯定しようと呼びかける 2005刊2021/06/08

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