出版社内容情報
加速化し「今」という時間が希薄になる現代、私たちの心は不意打ち的外傷にさらされている。うつや発達障害、解離など様々な臨床例を検証、その現代性を照射する。
内容説明
現代社会では速さが求められる。効率は、すべてにまさる免罪符だ。そこでは“今”は、未だ結果を得ない不全の時間にすぎず、そのことが、身体を疎外し、心の耐性に負荷をかける。本書では、新型うつ病や解離性障害など、様々な精神病理を臨床例から検証、時代の加速化が視野を狭め、不意打ち的外傷が蔓延する現代に、私たちが生命性を回復し、“今”を豊かに生きるためになにが必要か、その叡智を探りだす。
目次
第1部 瞬間の身体(フラッシュバック;重なりあう自己;決断する身体)
第2部 現在の身体(現代の精神病理;離隔する現代)
第3部 歴史の身体(トラウマの時間;共にある時間)
著者等紹介
野間俊一[ノマシュンイチ]
1965年香川県生まれ。京都大学医学部卒業。ドイツ・ヴェルツブルク大学精神療法・医学心理学研究所を経て、京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座精神医学講師。精神科医、医学博士。同医学部附属病院精神科神経科にて臨床および研究に従事。専門領域は、思春期青年期精神医学、心身医学、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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