出版社内容情報
建築物に欠かせない「窓」。それはまた、歴史・文化的にきわめて興味深い表象でもある。そこに込められた意味を日本とヨーロッパの比較から探るひとつの思想史。
内容説明
建築物に欠かせない「窓」。この身近な建築表象を歴史的にふりかえってみたとき、どのような相貌があらわれてくるのだろうか。日本とヨーロッパの様々な文物を織り交ぜながら、その土地に住まう人々が窓の造形に込めた感情と思想の来歴、文化構造の相違と影響関係、そして文明的意味を探る。
目次
第1章 ヨーロッパ―発信型文化と垂直志向
第2章 日本―受信型文化と水平志向
第3章 永遠性と一回性―窓ガラスと障子
第4章 ヨーロッパの閉鎖性と日本の開放性
第5章 窓辺の風景
第6章 窓の風俗史
第7章 政治支配のシンボルとしての建築
第8章 窓と欲望の資本主義
第9章 垂直志向から水平志向へ
第10章 窓のメタモルフォーゼ
著者等紹介
浜本隆志[ハマモトタカシ]
1944年香川県生まれ。ヴァイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。博士(文学)。現在、関西大学文学部教授。ドイツ文化論・ヨーロッパ文化論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たお
4
西洋と垂直+回転思考、東洋の水平思考をベースに『建築表象論』を展開。古代から近世あたりまでは、具体的に描かれており、窓の役割、象徴するもの、開閉の方向性と民族的視点の違いなど、大変興味深く読めた。だが、記述が近現代にさしかかると、途端に抽象論、概念論だけになり、著者自身、思考が練れていない気がしないでもない。日本人として、洋風の窓は外へ向かい『押し開けるもの』のイメージがあるが、実は、室内に引き入れる物であった。2012/06/05
ひろ
3
他のレビューにもあるが、思想史ではない。ただ羅列しただけに過ぎないと思う。2014/07/11
takao
2
ふむ2023/11/09
χ
2
ヨーロッパが垂直志向、日本が水平志向を窓に注目して解説。面白い。窓の数が上にいくに従い増えてるなんて知らなかった。日本の美意識が貧しさからきたありものを堪能する事に磨きをかけたものだなと再認識2018/10/09
たぬき
2
強引でないかい2013/01/11