ロマンティックな狂気は存在するか―狂気伝説の解体学

ロマンティックな狂気は存在するか―狂気伝説の解体学

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784479390268
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0010

内容説明

ロマンとタブーに彩られた狂気の世界を精神科医の眼で読み解き、その構造にメスを入れる大胆な試み。

目次

第1章 正常と狂気の境い目はあるのか
第2章 自意識の不安と狂気
第3章 流通する狂気のイメージとその実体
第4章 異境としての精神病院
第5章 狂気と犯罪
第6章 文学的好奇心をそそる精神症状
第7章 我々は狂気とどうつきあうべきなのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misui

6
「狂気なんてそうロマンティックなものじゃなくて実際はこういうものなんだよ」と狂気幻想を精神科医の視点から糺す本。よっぽど世に流布する狂気のイメージが腹に据えかねたのかところどころ筆が走っているが、内容は至極真っ当で素晴らしい。何事もステレオタイプには気をつけるべきですね。2011/05/16

atk

4
こういうのは好きだ。つまり、世間の思い込みをプロの視点からうーんとちょっと違っててね、実際にはこうなんだ、と解説する本が。世間の思い込みも、故なきことではないのだろうけれど、にしてもみんないろいろ調べてないで思い込みだけで文章書いてないかね、証拠はホラここに、というツッコミがちょっと痛快すぎる。2009/11/07

ビーフハート

3
狂気に安易な幻想を抱いてる人は必読でしょう。2007/07/07

竜王五代の人

2
通俗的・文学的な「狂気」や「精神病院」のイメージと実際(著者は実際に患者に対応する臨床精神医)の違いについて、ざっくばらんに語る。壊れ方はパターンあるし、最後はだんだん活力が欠けて平坦になっていく、というのは自動車とかの機械の壊れ方と同じ(壊れてキャタピラが生えたりはしない、最後は走らなくなって終わり)と感じた。貧弱で俗なイメージしかもっていないくせに偉そうに語るな、と文化人を引用交えて貶している(小田 晋・赤坂 憲雄・中島 梓・さたな きあ)のはスカッとする。2023/05/12

quinutax

2
一般に流布する精神病者や精神病院のイメージがいかに実際の精神医療と乖離しているかを明晰に論破している。数値化できないものに明確な境界線を求めようとすることの反語的な不確かさ。実際の症例を挙げつつ、一般人が考えるほど狂気とは原因の一元化も不能なものであり、また「物語性」を期待させるほどヴァリエーションに富んだものでもないことが、とても分かりやすく解説されていました。毒舌だけどね。2019/03/03

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