出版社内容情報
激動と大転換の現代を生き抜くヒント。本書に収められた論文は,未来を自分の眼でとらえるうえで,重要な示唆を与えてくれる。
内容説明
激動と大転換の現代を読むにはどうすればよいのか。本書に収められた各章の論文は、未来を自分の眼でとらえるうえで、重要な示唆を与えてくれる。ビシネスマン必読の一冊。
目次
1部 アメリカの経験
2部 社会における経済学
3部 マネジメントの社会的機能
4部 社会的機関としての企業
5部 仕事・道具・社会
6部 情報社会
7部 社会および文明としての日本
8部 社会を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
43
1946年に発表した論文からその後40年以上にわたり書いた論文集です。私が興味を持って読んだのは、ドラッカーが46年に書いた「ケインズ」、83年に書いた「シュンペーターとケインズ」という論文です。ドラッカーにしては珍しく経済学者について書いており、かなり経済学にも詳しいと感じました。また「社会および文明としての日本」は日本画から見る日本ということで日本論としては異色な感じがしました。2015/03/12
アベシ
22
しんどかった。考えてた内容と随分違いました。日本の項では思わず泣いてしまった。まず、1909年生まれであることを再確認。自分では社会生態学者と言っている通り、博覧強記様々な学問に精通している。本書の中で「決議論」という言葉を初めて知りました。注から引用:宗教的・倫理的規範が社会的責任と衝突する場合、社会的責任を優先させうるとする理論。つまり社会的責任のためなら何でもありになるということ。ヘンリー8世の離婚がその例としてあげられている。また、日本についての項は日本人論として思わず泣いてしまいました。 2024/02/25
Kei
18
やはりドラッカーは少し表現が抽象的ですっと頭に入ってこない。他の本も読み、彼が全体的にどんなことを言いたいのかということを深く理解していきたい。2016/10/20
超運河 良
7
創造的破壊による成長と改善、改良による成長を経済的な視点から見たとき、今の経済はケインズ政策を打ち出し政府による財政出動で景気を支える方法で行っている。本来、経済を支えるのは企業が成長して行く事こそが雇用、仕事を増やし安定して行く。本来イノベーションは既存の物事を破壊して新たな経済成長分野を生み出し毎年伸びていく。古い物事にすがろうとするのはイノベーションへの意欲のない体質になって経済にブレーキをかけるようになる。企業は人なりと言うのはイノベーションへの挑戦をするからこそ人財になる。2015/09/01
aki
6
ひょっとしたら、ドラッカーの著作の中で一番おもしろいかも。もっとも注目したのは「二極性」という観点から光琳、宗達、玉堂らの日本画を論じた一篇。屈指の日本画コレクションを持ち(日本画が大好きなので)、クレアモント大学大学院では日本画を講じたほどの眼力の持ち主だけあって、絵画論の域を超えて、優れた日本・日本人論にもなっている。『断絶の時代』でもふれていたが、経済学者のシュンペーターとケインズを論じた文章、哲学者・キルケゴールを材料に「人間の実存」に迫った文章など読み応えあり。2011/07/14