出版社内容情報
格付け・担保に依らない融資、起業支援、地方創生、地方連携...金融庁が掲げた銀行の役割を先駆けて達成した信組がいた!
目次
第1章 話題の“芸者さんローン”はこうやって生まれた 無担保・無保証のコミュニティ・ローン誕生の裏側
第2章 メガバンク役員から経営の厳しい信用組合理事長に 繰り越し損失を四年で一掃するV字回復を達成
第3章 「目利きシート」と「工場見学マニュアル」で実現 「担保に依存しない、信用による与信」の凄技
第4章 リレーションシップバンキングだけでは足りない!協同組織金融機関が目指す未来志向の創業支援
第5章 創業支援と並行して進めてきた地方創生 先行する信用組合との協力で広域連携へ
第6章 信用組合初の農業ファンドを九組合で立ち上げ 「人とコミュニティの金融」が目指す未来とは
著者等紹介
新田信行[ニッタノブユキ]
1956年生まれ。千葉県出身。1981年一橋大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。みずほフィナンシャルグループ与信企画部長、みずほ銀行銀座通支店長、みずほ銀行コンプライアンス統括部長を経て、2011年みずほ銀行常務執行役員。2013年より第一勧業信用組合理事長。2016年黄綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともひろ
16
この本はいいです。著者はメガバンクの常務から、東京にある信用組合の理事長になる。共同組織金融機関の原点にかえるべく、「人」と「コミュニティ」に焦点を当てていく。小規模だから、何もできないのではなく、限界を知った上で、志しのある信用組合と連携していく。以前、よく聞かれたリレバンという言葉を、地道に実践している。また、職員満足度をあげて、顧客満足度をあげていく取り組みをしている。とても参考になる一冊でした。2017/07/06
楽
12
17年。悩める金融機関従業員にこそ読んでほしい一冊。「ES(職場満足度)なければCS(顧客満足度)なし」(逆もしかり)、職員の疑心暗鬼を解く道のり。プロダクトアウトではなくカスタマーインの実践。「芸者ローン」は信用組合の総代でもある料亭の組合長の推薦が必要というのがまさに目利き。「創業支援×地方創生」、「地産地消」でなく「地産都消」など気付きが多い。「志のあるコミュニティの連携」で地域・地方と信組自身が持続可能か今後も注目。現状を嘆いて不平不満ばかり言って思考停止に陥ったら死んでしまう。行動、実践が大切。2019/03/17
かわうそまん
11
本業支援への取り組みで当局からの評価も高い第一勧業信用組合の理事長による同組合の取り組みの紹介。確かに本書に記させた取り組みは、取引先、お客さまに寄り添ったサービスであり、森金融庁長官が推進する改革の真の目的に適ったものだと感じました。非営利組織である同組合の取り組みを、収益性を追求しなければならない銀行(地銀)がどこまで真似ることが出来るか疑問は残ります。一方で、著者が目指している「人」の金融というのは、今後、地域金融機関が生き残っていく上で、必ず必要とされるのではないでしょうか。2017/11/04
海
5
★7。上司からのお薦め本。信用組合の理事長の著書。リテールバンキングよりも更に小さなコミュニティーバンキング。言うは易し行うは難し、のプロパー融資を積極的に推し進め、地域から求められる存在を目指す軌跡が描かれています。強いリーダーシップで、施策を推し進める姿は素晴らしいと思います。自分に持っていないものを持っていらっしゃるんだろうと思いました。今後、日本の金融界がどのようになっていくのか、心配ではありますが、頑張るしかないんでしょうね。2018/08/25
ryosuke__abe
3
第一勧業信用組合のトップである新田さんの本。コミュニティの金融という信念や、実現のための行動が素晴らしい。「とにかく、社会のために役立てれば、自分たちは行き続けられるのではないか」、「原点を意識しながら、未来に向けて何をすべきかを考え、実践していくという繰り返し」という言葉はグッと来た。2018/07/01