地球に残された時間―80億人を希望に導く最終処方箋

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784478017739
  • NDC分類 519
  • Cコード C0033

出版社内容情報



【目次】


日本語版への序文

日本のエネルギー政策 そのプラスとマイナス


序文


第1章 崖っぷち

気候変動の甚大な影響
洪水は「自然災害」ではない
自然からの供給を超える需要
行き過ぎた消費が支える経済成長
市場経済は真実のコストを語らない
食料不足が引き起こす文明の崩壊
広がり続ける飢餓への憂慮
「破綻しつつある国家」の誕生
水のくみ上げ過ぎが食料バブルを招く
自然が握る崩壊へのストップウォッチ
「プランB」で達成すべき四つの目標

第Ⅰ部 悪化しつつある基盤

第2章 地下水位の低下と収穫量の減少

水資源の枯渇が描く最悪の事態
「水赤字」は深刻な食料危機をもたらす
灌漑用地の開拓に限界が近づく米国
食料バブル崩壊が目前に迫るインド
中国「最後の水がめ」は枯れる寸前
中東の食料安全保障に猶予はない
農業用水を吸い取って繁栄する都市
勝ち目のない水戦争に敗れ去る農家
選択しなければならないとき

第3章 土壌の侵食と砂漠の拡大

都市を襲う砂嵐の脅威
土壌侵食は「物言わぬ地球の危機」
砂嵐は砂漠化への最終段階
中国を侵攻する「砂漠のM&A」
インド、そしてアフリカでも拡大する砂漠化
砂嵐に侵食される世界の現状
国民の健康は健全な土地に守られている

第4章 上昇する気温、融ける氷、脅かされる食料安全保障

最高気温は計測不能
不安定に安定する気候
光合成は気温40℃でも完全停止
氷床融解がさらなる気温上昇を招く
もはや「天空の貯水池」には頼れない
急増する人口を養うことができるのか
氷河の水に依存するアンデス山脈の国々
米国にもたらされる悪夢のシナリオ
文明崩壊は穀物収穫量の減少から始まる

第Ⅱ部 その結果

第5章 食料不足という政治問題の出現

食料をめぐる悲惨な暴動
食料需要の急増をもたらした三つの要因
自動車に農地を奪われる農家
土地を賭けた過酷なマネーゲームの勃発
土地取得が引き起こす二つの悪影響
横行する極秘の土地取引
食糧生産性は向上したのだろうか?
さらに残る二つの疑問
貧しい者の犠牲に成り立つ冨

第6章 環境難民の出現

打ち棄てられた沿岸都市
現代の環境難民を生み出す五つの要因
海面上昇で祖国を失う人々
破壊的な嵐が経済発展を吹き飛ばす
加速する砂漠化に逃げ場を失う中国
水不足で奪われる故郷
放射能による難民の出現
環境難民が直面する痛ましい現実
対処療法ではなく根治策を

第7章 破綻しつつある国家

破綻国家ソマリアの現在
国家の破綻は拡大し、かつ深刻化している
政府機能を停止させる二つの要因
国家の破綻は飛び火する
二つの指標で破綻度合いを見抜く
国家の孤立が招く伝染病の蔓延
大国にも国家破綻の危機は迫っている
対処不能な国際危機となる前に

第Ⅲ部 解決策はプランB

第8章 エネルギー効率の良い世界経済を構築する

エネルギー節約の可能性は無限大
効果的節電で電気料金を90パーセント節約
「日本式」が省エネ技術の進歩を引き出す
ゼロ・カーボン建築の実現に向けて
民間部門による省エネの積極的推進
世界中に広がる交通システム革新の動き
自動車との恋愛関係にピリオドを打つとき
自動車燃料はガソリンから電気へ
見直され始めた自転車の魅力
日本は高速鉄道開発の先導者
「使い捨て経済」からの脱却
高まるリサイクルへの期待
プランBのエネルギー経済に近づける

第9章 風、太陽、地熱のエネルギーを利用する

急速に進む再生可能エネルギー源への移行
非経済的な原子力に依存しない
注目を集めるウィンド・ファーム
世界各国で活発化する風力発電計画
風力タービンの設置を急げ
太陽光発電の爆発的成長
集光型太陽熱発電(CSP)発電所への期待が高まる
屋上太陽熱の有効利用が進む
地球に眠る膨大な地熱エネルギーを活用
エネルギー作物の有用性は限定的
新しい水力エネルギーの誕生
正しいエネルギー構成は各国の資源量が決める
変容を迎えるエネルギー輸送システム
都市は生まれ変わる

第10章 経済を支える自然のシステムを修復する

洪水の原因は大雨ではない
森林保護には全世界規模の協調が不可欠
責任ある森林伐採と植林の実施
森林伐採の禁止は実現可能なプラン
植林で二酸化炭素の増加を防ぐ
土壌の保全で効果的に炭素を吸収
海洋漁場はもう一つのタンパク源
「地球を修復するための予算」算定が急がれる
土壌浸食抑制に必要な二つのコスト
わずか1100億ドルを節約する代償

第11章 貧困を根絶し、人口を安定させ、破綻しつつある国家を救済する

「聞く」ドラマが出生率低下に貢献
飢餓人口は10億人を突破
貧困の根絶が国家破綻防止のカギ
初等教育の欠如はテロに勝る脅威
栄養失調がもたらす悪循環を断つ
家族計画の浸透で進む小家族化
「人口ボーナス」の恩恵を受ける
「世界安全保障省」を設立する
リベリアに学ぶ再建への道
貧困根絶は自分への投資である

第12章 80億人を養う

1950年に訪れた劇的な変化
国家的な農業戦略で穀物収量が増大
土地生産性を高める三つの方法
ムダのない灌漑システムを採用する
動物性タンパク質の効率的生産
穀物に依存しない新システムの誕生
なぜ「地産地消」への関心が高まっているのか?
家庭菜園に期待される貢献
食料安全保障の再定義が迫られる
私たち一人ひとりが担う食の責任

第Ⅳ部 残された時間

第13章 文明を救う

プランBで「21世紀のための経済」を築く
市場に真実の経済を語らせるとき
自然のシステムの限界を認め、尊重する
非軍事的な「安全保障」を定義する
世界は石炭に背を向け始めている
石炭業界が直面している二つの未解決問題
再生可能エネルギーは枯れることのない井戸
最良の選択は「サンドイッチ・モデル」
希望回復の技術と財源は手の中に
プランB達成に必要な予算
私たちが選ぶべき未来


訳者あとがき


参考文献


索引

内容説明

刻々と忍び寄る文明崩壊の危機。私たちはどこへ向かい、何をすべきなのか?日本のエネルギー政索が進むべき道も照らす、環境問題の世界的第一人者レスター・R・ブラウンから送られた希望の書。

目次

崖っぷち
第1部 悪化しつつある基盤(地下水位の低下と収穫量の減少;土壌の侵食と砂漠の拡大 ほか)
第2部 その結果(食料不足という政治問題の出現;環境難民の出現 ほか)
第3部 解決策はプランB(エネルギー効率の良い世界経済を構築する;風、太陽、地熱のエネルギーを利用する ほか)
第4部 残された時間(文明を救う)

著者等紹介

ブラウン,レスター・R.[ブラウン,レスターR.][Brown,Lester R.]
アース・ポリシー研究所所長。1934年、ニュージャージー州生まれ。ラトガーズ大学、ハーバード大学で農学・行政学を修め、米国農務省では国際農業開発局長を務める。およそ30年前から“環境的に持続可能な発展”の概念を生み出す先駆者として活躍し、ワシントン・ポスト紙では「世界で最も影響力のある思想家の一人」と評された。1974年に「ワールド・ウォッチ研究所」を創立し、最初の26年間は所長を務める。2001年には、学際的な非営利研究機関「アース・ポリシー研究所」を設立

枝廣淳子[エダヒロジュンコ]
環境ジャーナリスト、翻訳家。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。幸せ経済社会研究所所長、有限会社イーズ代表、NGOジャパン・フォー・サステナビリティ代表、有限会社チェンジ・エージェント会長。福田・麻生内閣「地球温暖化問題に関する懇談会」委員、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員などを務める。「幸せ経済社会研究所」の所長を務める

中小路佳代子[ナカコウジカヨコ]
津田塾大学学芸学部英文学科卒。ビジネス・経済分野の翻訳から、現在は主に環境分野の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ののまる

8
ずっと読みたかった…でもちょっと噂には聞いていた、この訳文について。…何だ、この日本語訳。原文そうでも日本語に忠実に全部訳しちゃったらだめでしょ、という翻訳ソフトでやりました?的なものから、語尾が「なのだ」「なのだ」「なのだ」のバカボンパパ連呼。せっかくの内容が半分も入ってこない。2016/01/05

壱萬弐仟縁

2
昨年10月末に70億人突破のニュースがあったのは記憶に新しい。本著はさらに80億人時代を想定している。リオの地球サミット以来20年経過するが、地球環境は益々悪化の一途を辿っている。最近では突風や竜巻という気象も日本各地で報告されている。気候変動はどこに住んでいても回避できない現状がある。とりわけ原発事故などの環境難民の避難所確保も喫緊の課題である。「世界安全保障省」(223ページ~)は斬新。人間の安全保障で貧困と環境問題を是正していくには必要だろう。80億人のかなりの人口をインドや中国が占める。脅威的だ。2012/10/28

メルセ・ひすい

2
15-146 1.崖っぷち・気候変動の甚大な影響…2.地下水位の低下と収穫量の減少・水資源の枯渇が描く最悪の事態…3.土壌の侵食と裁くの拡大4.上昇する気温…5.食糧不足…6.環境難民の出現 7.破綻しつつある国家…私たちが直面している難題ほど複雑で規模が大きく、切迫しているものに対峙したことのある世代は、これまでにない。刻々と忍び寄る文明崩壊の危機。私たちはどこへ向かい、何をすべきなのか。日本のエネルギー政策が進むべき道も照らす、環境問題の世界的第一人者レスター・R.ブラウンからおくられた希望の書。2012/03/12

ひろ

0
本文より: 新しいエネルギー経済では、私達の都市はこれまでに見たことのあるどの都市とも異なったものになるだろう。空気はきれいで、通りは静かで、電気モーターのブーンという音がかすかに聞こえるだけだ。(中略)その原動力は「私たちは、地球がある限り使い続けられるエネルギー源を開発しつつあるのだ」との認識がつくり出すワクワク感だ。油田は枯渇し、石炭層は掘り尽くされるものだが、産業革命以降はじめて、私たちは永久になくならないエネルギー源に投資をしているのである。2014/12/19

ゲオルゲ

0
安全保障の定義とか石油の捉え方とかを考え直すべきってのが面白かった。あとはデータが豊富でわかりやすかった。2013/09/12

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