目次
第1部 ブッダと出会う―ブッダと弟子たちの対話(軽やかに生きる;殺人者アングリマーラ;悲哀とともに生きる;苦悩の声を命の全体で聴く;子を亡くした母の奇蹟 ほか)
第2部 ブッダは語る―ブッダの思想の歴史的意味(ブッダが見たもの;傲りは恐怖する;ブッダ儀式を否定する;内なる火を燃やせ;善への飛躍―ブッダの出家を巡って ほか)
著者等紹介
友岡雅弥[トモオカマサヤ]
大阪府泉大津市生まれ。大阪大学文学部卒業後、同大学大学院博士課程修了(インド哲学専攻)。1991年には、インドと日本の国交回復40周年を記念する政府公式行事の環境問題シンポジウム(ニュー・デリー)で講演。対談に「二十一世紀の宗教を考える」(『物・心・生命との出会い―高山直子座談集』所収、第三文明社刊)がある
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感想・レビュー
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空猫
23
ブッダを「悟りを得た人」とか「仏教の祖」という枠組みで認識しようとしても上手くいかない。なぜなら彼は真理に安住する人ではなく,今ここで善の道を歩み続ける人だから。彼が宗教など作るはずもない。それは常識や慣習(宗教の作る教条や儀式も含む)が,人を思考停止に陥らせ人を縛る呪いであり,現状維持を望む欲望と精神の沈滞の産物であり,そして階級を作りその上に立ちたい人間が支配するために用いている見えざる暴力だから。そうした束縛・停滞・抑圧を砕破し・動揺させ・転覆させるのが彼の生涯を通じた振る舞いなのだ。2017/11/28
gtn
22
自分を本当に愛する者は悪には近づかない。一方、悪をなす人は自ら悪に近づき傷つくと自己愛とエゴイズムの差異を明らかにする釈迦。その他著者は、数多のエピソードを紹介し、今まであまり知られていないブッダの実像を明らかにしようとするが、饒舌に過ぎ、やや鼻につく。願わくば、本書を著者以外の人が解説してほしい。2021/01/25
東武ことり
1
とても読み応えある本。仏教とは、歩み続けるというのが、キーワードなんですね。2019/01/10