出版社内容情報
体罰、暴力、シゴキ、勝利至上主義……、運動部活動の諸問題に向き合い、部活動に関するこれまでの言説や考え方の変遷をまとめた。
内容説明
勝利至上主義の蔓延や体罰・暴力の連鎖を断ち切り、教育としての運動部活動のあり方を歴史とのダイアローグ(対話)から炙り出す。部活動関係者必読の書。部活動を学校で行う根拠とヴィジョンを提示する。
目次
第1章 運動部活動の始まり
第2章 運動部活動の教育課程化と競技力向上の相克
第3章 必修クラブの制度化と運動部活動の地域移行をめぐる迷走
第4章 学校教育への復帰と評価の問題
第5章 運動部活動における道徳教育と管理の強化
第6章 運動部活動における個性・主体性と「ゆとり」のギャップ
第7章 運動部活動を取り巻く構造の矛盾
第8章 「これまで」の運動部活動の見方・考え方
第9章 「これから」の運動部活動の見方・考え方
著者等紹介
神谷拓[カミヤタク]
1975年、茨城県出身。中京大学を卒業後、和歌山大学大学院教育学研究科に進学。その後、筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。博士(教育学)。現在、宮城教育大学准教授。日本体育学会体罰・暴力根絶特別委員会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SAHARA
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読んだぽよ。部活動にまつわる曖昧な問題点の成立過程がよくわかる。大体政治家がわるい。中曽根コノヤロー!道徳教育ってなんだよ。なぜスポーツじゃないと育てられないのか。スポーツ苦手な子はどうしたらいいのか?スポーツと道徳がセットなのが気持ち悪さを感じる。生涯スポーツってジョギングとか一人でできるのでもいいんじゃないの?スポーツを理想化・万能化しすぎな気がする。生徒は進学、指導者は自己の名誉、学校は入学者確保のために部活動を利用してきた側面、その側面は「勝つこと」によってしか達成されない。スポーツの単純さには2022/01/02
たろーたん
0
運動部活動の色々を書いてある本。これを読んで、やっぱり部活動は嫌い、と思ってしまった。生徒の自主性や責任感・連帯感の涵養、地域の協力とか言ってる「部活動の総則」、先生に「意気地なしめ」と言われて、むしろやる気が出たという「2000mの恐怖(道徳の教科書)」は、ちょっと引く。2018/06/17