出版社内容情報
日本人が追求してきた「生き方と生活の美学」を古代から近世の日本文化に即して解き明かす、意欲的な日本論。
尼ヶ?彬[アマガサキアキラ]
内容説明
日本人が美しいと思う「生き方」「生活」とは―?みやび、数寄、婆娑羅、わび、風流、いき、などの言葉をキーワードに、古代から江戸の日本文化の考察を通して解きあかす。
目次
1 王朝の文雅
2 万葉集の風流
3 宮廷の「みやび」と「すき」
4 数寄と道
5 婆娑羅の風流
6 隠者の侘数寄
7 雅の風流と俗の風流
8 「いき」と「すい」
9 「いき」の美学
著者等紹介
尼ヶ〓彬[アマガサキアキラ]
1947年愛媛県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(美学芸術学専攻)。東京大学助手、学習院女子短期大学助教授・同教授を経て、学習院女子大学教授。美学、舞踊学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masako3
1
★★☆ "美学"の研究者による。古代からみやび、風流、中世の婆娑羅、侘び寂び、近世のいき、すいまで日本人が美しいとしてきた所作、装い、言葉、などを論じている。2017/03/26
みっくん
0
「いき」は、ほんの少しで、文雅→風流・好色→みやび→数寄・道→婆娑羅→侘数寄→清風・風流→意気・粋・通とつながっていきます。 どこまでさかのぼるんじゃい!と思ったけれど、さかのぼった方が分かりやすいんだなぁ。京極道のうんちくを聞く関口センセイになった気分でした。 大阪生まれの私の感じる「粋」は、やはり「すい」に近いようです。 見る側にも知識や感性が必要というところに納得。着物が好きなので、「粋」というものにあこがれますが、奥が深かった。2017/08/04
yu-onore
0
社交的な場で急に生じる演技的な遊びの中で成立するものとして成立背景まで含めて評価される歌だったり、肉欲的な部分も大きい風流だったり、生活の中で成立する(生活が美の崇拝としてある)ものとして日本における美を考えていく本だった。その歴史的事例を整理していくのめっちゃ面白いし手元に起きたさはある、。一方で、社交とか遊びとかいうものではない道としての歌を追求する、頑固で野暮的な存在として描かれている藤原定家の人物像にも好感を持つなどする。2021/07/31