出版社内容情報
【解説】
16世紀のヨーロッパでは,ミイラは万病に効く薬であり骨董品でもあったが,やがて知的な探究の対象になり,謎が解かれていった。科学・宗教・盗掘史と様々な視点から探る。
目次
第1章 ミイラの発見
第2章 ミイラのつくり方
第3章 永遠の家
第4章 墓:その理想と現実
第5章 ミイラの科学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
17
冒頭ミイラの顔写真が9体紹介されている。キャプションでは死因についての言及が多かった。その中であまりにも衝撃的なことが書かれていて頭から離れない。待てよ。あり得ないだろうよと思って、もう一度丹念に読み返した。勘違いだった。嗚呼、「歯槽膿漏」という文言は見当たらなかったのだ!「骨粗鬆症」と「歯の痛み甚だし」という表記から妄想したらしい。待ってください。そんなことってあり得るのでしょうか?そういうものだ。衝撃的と言えば、資料篇の吉村先生の文章は異様に生々しくて、生理的にきついものがあって、引用する勇気がない。2019/08/23
いっちゃん
13
エジプトの博物館で、ミイラ展をやっていて見たことがある。何気なく眺めたミイラの裏の、この手間と歴史には頭が下がる。エジプトのミイラはもはやミイラ界のブランド。完璧。エジプトってやっぱり興味深いな。2016/11/25
えふのらん
2
X線が投入された事情や当時最先端だったCT検査や復顔についても触れられている。が、やはり面白いのはその実体。ミイラに託された来世への願望、それを聞き届け引き入れるアヌビス、審判を下すオシリスそれを記した死者の書。この死生観でもお腹一杯だが、社会的背景もなかなか興味深い。というか世知辛い。2023/08/20
眉毛ごもら
1
再読。前半部分エジプトミイラに関してのカラー図版及び説明。ミイラの作成された理由副葬品病歴や埋葬方法などの変遷などを図版を交えて紹介する。動物のミイラは奉納用の大量生産品と聖なる神の化身として丁重に扱われていたものと別れているらしい。後半部分はモノクロ図版及びミイラ研究についての概論。後半に吉村作治先生の調査報告が載ってるので面白い。日本に持ち帰ったミイラをCTスキャンからの顔の復元と石膏型からの復元と両方やったこととか。美女でしたね。それ以外の部分は前半と重複している箇所もあるのでそこは残念かなと。2021/07/26
naoto
0
生前の姿が想像できるようなミイラもあったりして、エジプトのミイラ製造技術の高さを感じる。動物のミイラがこれほど多種類に渡るとは知らなかった。2015/12/15