出版社内容情報
ユートピアという物語が説得力を失ってしまった今もなお、希望を捨て去ることなく生きざるえない人々にどう向き合うのか。人類学からの試み。
目次
1 「私たち」を求めて(ユートピアの重さ、ポスト・ユートピアの心地よさ;教育に託した開発・発展への夢―内戦、離散とスーダンのパリ人;地に呪われたる者は起ち上がったのか―マルティニクの植民地解放プロジェクト)
2 夢は「回帰」するのか(動員と連帯の跡地にて―自主管理時代のベトナム村落における統治のモラルの語りかた;市民社会を生きる人びと―フランス・マグレブ系移民の場合;センセーショナリズムへの冷笑―移行の言説としての韓国「民主化」と元労働運動家たちの懐古;ナショナリズムの歌い方―マレーシアの愛国歌(lagu patriotik)の時間)
3 いま、ここにない希望(夢と憫察―中国革命のなかの「新女性」;YUMA‐CUBA ここではないどこか、私ではない誰か;「革命芸術」の齟齬―ニカラグア壁画運動のたどった途;ずれた未来を垣間見る―フランスにおける「組み込み」政策の周辺で)
4 かえりみれば(“アイロニー”の翻訳―ポスト・ユートピアが人類学に教えること;ユートピアたち―具体に差し戻すということ)
著者等紹介
石塚道子[イシズカミチコ]
1946年生まれ。関西学院大学大学院博士課程修了。博士(地理学)。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授。カリブ海地域研究・文化地理学専攻。カリブ海地域小アンティール諸島を中心にクレオール社会・文化空間研究を行っている
田沼幸子[タヌマサチコ]
1972年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。文化人類学。大阪大学大学院グローバルCOE特任研究員
冨山一郎[トミヤマイチロウ]
1957年生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。大阪大学大学院文学研究科准教授。歴史学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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