家事労働の国際社会学―ディーセント・ワークを求めて

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  • サイズ A5判/ページ数 400p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784409241325
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C3036

内容説明

ケアをめぐる越境的連鎖、グローバル・ケア・チェーンの考察には、移民政策およびローカルな家事労働者の処遇、社会のジェンダー観、当事者による組織化の歴史といった諸条件の検討が不可欠だ。ILOが有償家事労働を「労働」として認めるに至った経緯を把握し、日本の進路を探るための先端的研究書。

目次

グローバル・イシューとしての家事労働―ILO一八九号条約が意味するもの
第1部 移住家事労働政策の先発地アジアと後発受入れの日本(日本における家事労働の市場化と分断された家事労働者―家事労働者史からみる国家戦略特区の外国人家事労働者;フィリピンにおける家事労働者の運動とその二つのベクトル―ローカルそしてトランスナショナルに追求されるディーセント・ワーク;インドネシアにおける家事労働者の権利保護―一八九号条約を起点とする「技能化」と組織化;香港社会の家事労働者―「中国」と「外国」の狭間における分断と連携;在台湾ベトナム人家事労働者の滞在の非正規化と移住インフラ―抵抗としての「逃げること」と永続する搾取)
第2部 フォーマル化と「地下経済」のあいだのヨーロッパ(統合ヨーロッパにおける家事労働振興政策と一八九号条約―ブリュッセルとジュネーブのあいだ;フランスにおける家事労働のフォーマル化と家庭雇用―移住家事労働者と産別労働協約という磁場;イタリア家事労働領域のデュアリズム―政策対応における権利擁護と剥奪;ドイツで家事労働のフォーマル化が滞るのはなぜか―制度が生み出すインフォーマルな移住家事労働者)
第3部 移住家事労働者の運動戦略とアメリカの地域的文脈(地域レベルでの家事労働者、その権利闘争の構造と動態―カリフォルニア州の多元的社会運動と地域的規制の意味するもの;移住女性のエンパワメントと地域コミュニティ組織の役割―ニューヨーク市ワーカーズ・コープ結成支援の事例を中心に)
家事労働におけるディーセント・ワークの課題と展望―マルチスケールの運動実践へのビジョン

著者等紹介

伊藤るり[イトウルリ]
フランス・社会科学高等学院社会学専攻博士課程修了(社会学博士)。津田塾大学総合政策学部教授、一橋大学名誉教授。専門は国際社会学、国際移民とグローバリゼーションのジェンダー分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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