まち

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396635800
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

尾瀬ヶ原が広がる群馬県利根郡片品村で歩荷をしていた祖父に育てられた江藤瞬一。高校卒業とともに上京し、引越の日雇いバイトをしながら荒川沿いのアパートに住んで四年になる。かつて故郷で宿屋を営んでいた両親は小学三年生のときに火事で亡くなった。二人の死は、自分のせいではないかという思いがずっと消えずにいる。近頃は仕事終わりにバイト仲間と他愛のない話をしたり、お隣の母子に頼まれて虫退治をしたり、町の人々に馴染みつつあった。そんなある日、突然祖父が東京にやって来ると言い…。じいちゃんが、父が、母が、身をもって教えてくれたこと。

著者等紹介

小野寺史宜[オノデラフミノリ]
千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞、08年「ROCKER」でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し、単行本デビュー。『ひと』(祥伝社刊)が2019年本屋大賞第2位となりベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひさか

479
2019年11月祥伝社刊。書き下ろし。ひと、まち、いえとあるのでシリーズ2作目なのかもしれない。ひとの登場人物が隣町の商店街にいたような。じいちゃんと暮らしていた瞬一が東京の江戸川区で暮らして行くお話。人々との交流が興味深く楽しく面白い。じいちゃんが素敵です。2022/04/12

ウッディ

417
幼い頃に両親を火事で亡くし、歩荷をする祖父に育てられた江藤瞬一。「村を出て、人と繋がれ」というじいちゃんの言葉に背中を押され、上京し、筧アパートに住み始めて5年。コンビニを経て、今は引越屋でバイトをする瞬一は、アパート住民、バイト仲間と繋がっていく。真面目で優しい瞬一が東京に根を下ろし、世界を広げる様子に、自分の学生時代を思い出します。縁・ライフ・ひとともリンクし、ドラマチックな事が起こらなくても、いつまでも読んでみたいという感じが、「横道世之介」にも似ているように思いました。とっても面白かったです。2020/02/14

kotetsupatapata

330
星★★★★☆ 小野寺さんの作品でお馴染みの筧ハイツが舞台 前作の登場人物や店もチラホラ出てきて、読者ファンをくすぐる遊び心も忘れてません。 今までの作品同様 下町で暮らす若者の友情や将来の悩みなど、ありふれた日常を紡いだ物語。 このコロナ禍の中ホッとさせられます。 祖父の遺した言葉「頼る側じゃなく、頼られる側でいろ。」 なかなか難しいな~ それでもその言葉を胸に過去のトラウマを乗り越え消防士を目指す瞬一に幸多かれん事を それと年上のシングルマザーか~ そっちも頑張れ✨ 2020/06/11

あおけん

330
小野寺史宜さんの作品は、朴訥とした主人公を描くのが上手ですね。最初の数行で好きになりました。出てくる人が、皆良い人でもの凄い事が起こる事もなく淡々と進んで行く。本当に、日常生活ですね。その中で、突発的にちょっとした事件が起こる。東京に出てきて、自分がやりたい事が見つかって良かった。敦美さんとは、どうなるんだろう?気になるなあ〜。後、作中に出てきた横尾成吾って作家は、いないのか…。探しちゃった。2020/02/27

kanegon69@凍結中

285
とても心地よい読書時間でした!小野寺さんの紡ぐ物語は優しくて繊細だけど、しっかり生きていく道標をさりげなく読み手に気付かせてくれる。今回の主人公は辛い過去を背負いながら、大きくて暖かい祖父の後押しを受けて高校卒業と同時に上京。引越しのアルバイトで生活する心優しい青年の話。なんとも心地よい文章に抵抗なくスラスラ物語に入っていき、気が付いたらもう後半。本にかじりついている自分に気がつく。祖父の想い、立ち上がっていく青年、周りを幸せにしていく素敵なオーラに包まれたエンディング。じわじわーっと感動する良作です‼️2020/01/19

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