出版社内容情報
小泉今日子さん 「あぁ、私はこの物語がとっても好きだ。」 (「読売新聞」2011年2月6日)
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。
ぼろアパートを舞台に贈る??愛?≠ニ??つながり?≠フ物語。
小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった……。
【著者紹介】
一九七六年、東京生まれ。二〇〇〇年、長編小説『格闘する者に○』でデビュー。〇六年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。一二年『舟を編む』で本屋大賞受賞。小説に『秘密の花園』『私が語りはじめた彼は』『むかしのはなし』『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『政と源』『まほろ駅前狂騒曲』など、エッセイ集に『あやつられ文楽鑑賞』『お友だちからお願いします』など著書多数。
内容説明
小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
465
『小田急線の世田谷代田駅から徒歩五分にある木造二階建ての木暮荘』。大家を含めて三人が暮らす木暮荘に何かしら関係する人々が登場するこの作品。7つの章ごとにそんな彼らに順に視点が切り替わっていく連作短編の形式をとるこの作品。そこに描かれたのは、それぞれが抱える悩み苦しみにしっかりと向き合って生きていこうとする老若男女の『性』と『生』の物語でした。単に軽いだけと見えていた人が背負っていたものの重さに驚き、単に軽薄に見えていた人に隠されていた優しさを知る、一つ屋根の下に息づく人々の生き様を感じた作品でした。 2021/10/17
Yunemo
463
たて続けに同著者作品を。「並木」氏と「洋平」氏って同類、著者こんなタイプがいいのかな。読み始め早々にまず一撃、最終章でノックアウト、こんな感じですかね!それにしても、よくこれだけ個性的な人物を、個性的なアパートに集めてみたものです。それぞれの性格のままで、今の世の中で生きていられるのが不思議なくらい。異常な世界のはずなのに、それでも違和感がないのは何故なんでしょう。何だか自身も同様に、深層心理的にはこんな生活への憧れなのかもしれません。アパート住人が付き合う周りの方々も、ある意味同類、憧れのメルヘン。2015/08/16
射手座の天使あきちゃん
463
しをん様、この小説のテーマはズバリ「愛とつながり」でしょうか? それにしたって「柱の実り」、「穴」は一般人からするとかなりアブノーマルだと思いますが、しをん様の中では「あり」なんですか? <(^_^; いくら家賃が安くても住みたくないかもです(笑) もし万一202号室に入居させられても「のぞき」は絶対しませんよぉー!(笑)2014/11/09
にいにい
447
1か月ぶりぐらいの三浦しをんさん。面白い!こんなの好きだな~。木暮荘の住人を中心に展開する人との繋がりの物語(いろんな意味での)。恋人、元彼、不倫、旧友、夫婦、親子、様々な日常に、ちょっと変わった関わりが生まれる。笑いながら、微笑みながら、深く人生を思わさせられる。犯罪も、一歩手前も、超常現象まで絡ませて、人恋しくさせる一冊。並木いいなぁ~。変だけど、愛おしい登場人物満載。光子は、血が繋がらなくてもお母さんになれるといいな。2014/11/21
やな
417
人生について考えさせられた。ほんで少し心が軽くなった( ´ー`)2014/11/16