出版社内容情報
加藤 久和[カトウ ヒサカズ]
内容説明
本書は、少子高齢化・人口減少、都市と地方などの国土構造がわが国に及ぼす課題を分析し、「日本消滅を回避する戦略」を検討したものである。われわれは、将来の世代に豊かな日本を残せるのか?
目次
第1章 8000万人社会の到来(ピークを過ぎた総人口;人口減少の主因は少子化 ほか)
第2章 これからも成長は可能か(戦後の経済成長と人口;成長しなければ支えられない8000万人社会 ほか)
第3章 東京一極集中と地方創生(東京圏一極集中と、地方の人口減少;東京圏一極集中の弊害と便益 ほか)
第4章 危機にある財政と社会保障(未曾有の財政赤字と、財政の持続可能性;2025年と2035年の壁―社会保障の課題 ほか)
第5章 日本消滅を回避する戦略(少子化からの脱出;持続的な経済成長を維持する戦略 ほか)
著者等紹介
加藤久和[カトウヒサカズ]
1958年東京生まれ。明治大学政治経済学部教授。1981年慶應義塾大学経済学部卒業、1988年筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了(経済学修士)。2000年博士(経済学)(中央大学)。電力中央研究所主任研究員、国立社会保障・人口問題研究所室長などを経て、2005年明治大学政治経済学部助教授、2006年4月より現職。専門は、人口経済学、社会保障論、計量経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
18
日本が抱える最大の問題と言われる人口減。国家的問題として様々な施策が採られる一方、政治家の失言名言が飛び交っているのも記憶に新しい。そもそもなぜ起きているのか?人口減によって起きる問題は何か?そしてなぜ改善(解決)しないのか、まで細かく紹介されている1冊。データがとにかく充実していて、これに関する企画提案書を作成するならこの本から抽出すれば不足はない、といっていいほど。その反面、意見や提言は巷で言われているもの以上ではなく、この問題が政策などのトップダウンじゃ解決せず、難問であることがかえって浮き彫りに。2020/04/16
Shun
3
毎年一つの中核都市が消滅する人口減少の問題意識に共感した。経済規模の拡大によって対GDP比の赤字を削減する考えには共感できるのに、財務規律をやたら希求する著者の考えには共感できなかった。経済のパイ縮小への負の連鎖に陥る危険性があるし、日銀と政府は連結決算でみる必要があることはもっと認識される必要があると感じた。2017/01/04
Hugo_Kirara3500
2
P265に「消費税率の引き上げが議論されるたびに逆進性が必ず指摘される(中略)一時点の所得と消費を捉えれば両者に差があるが、生涯所得と生涯消費を比べれば両者はほぼ一致する(相続資産等を除く場合)(中略)消費税は所得比例税として捉えることができるのであってそれほど逆進性が高いわけではない」とありますが、このカッコの中が重要なことを示唆していて消費税は先祖代々の資産家に有利な税制であることを示している。また「消費税からの税収は社会保障4経費にすべて~」というのは一体どこの平行世界のことを書いているのだろうかと2019/05/25
jupiter68
1
読みました。著者は人口学会会員である。前半の人口減少の分析はお手の物。納得する部分がたくさんあり、ためになった。が、終わり間際の処方箋は議論が大雑把な気がする。もうちょっと問題対処のためのヒントが欲しかった。2017/09/27
starlive
1
データと、考えがしっかり分けられていて読みやすい。社会保障が右肩上がりの時に対象となり始める自分。親の世代が作った豊かさと借金。子供の世代にどうバトンを渡すべきか。2016/08/06