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祥伝社新書
創造性とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 177p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396112134
  • NDC分類 141.5
  • Cコード C0220

内容説明

創造性とは発明発見の能力ではなく、問題解決能力のことであって、「創造」と「伝統(保守)」は互いに相絡みあいながら社会の発展に寄与する、という持論をもとに、真の民主主義的で、誰もが幸福に暮らせる社会がいかにして実現するかを説く。人類の文明史をたどり、KJ法が問題解決の手段としていかに有効かを説き、著者が一生かけて追究してきたテーマ「人類の幸福社会の実現」へと集約される大著『創造と伝統』(一九九三年刊)のなかから、序論であり総論ともいえる第1章を取り出し、新書化。

目次

序 私の人生背景と本書の出発点―現代文明の体質改善に必要なこととは(「世界を悩む」ということ;ゴルバチョフから学ぶべきもの;「世界全体を悩む」のが、人間の本性;探検家、フリーチョフ・ナンセンに学ぶ;恐るべき短調さは、人間をどう変えるか;ナンセンのヒューマニズム;愛国心と国際性は対立しない;「B29」を見ながら、思ったこと;チームワーク―軍隊と登山の経験から;単独行で鍛える;“人格主義”ではチームワークは育たない;「疾風怒濤」の姿勢で、現代文明を体質改善する)
1 創造的行為の本質―保守性と創造性という二つの原理の対立と循環(「ひと仕事」という創造的問題解決学;チームリーダーの条件とは;創造と保守は循環する;創造性とは本来、非合理なもの;創造的行為の定義―三カ条)
2 創造的行為の内面世界―創造的行為は、どのような過程を経て進行するのか(渾沌、出会い、矛盾葛藤、そして本然;デカルトとの違いについて;デカルト的パラダイムの限界;「世界外的認識」と「世界内的認識」;問題解決のケーススタディ;生命燃ゆ;馥郁と香る;雲と水と;愛と畏敬)
3 創造的行為の全体像―天命の聞こえてくる人、こない人の違いとは(全体状況と絶対感に基づいた行動;現代人こそ絶対感を感じるはず;天命を感じ、絶対感で事を行なう;絶対的受け身から、真の主体性が生まれる;創造性がないと楽しくない;心情陶酔のもんぢあ点;KJ法の誤った使われ方―現実感を取り戻せ;郷愁と探検は、相反するようで通ずる;ふるさとは過去にのみ存在するのではない;創造的行為がふるさとを生む)
4 「伝統体」と創造愛―創造愛の累積によって、組織は伝統体となる(創造的行為によって自らが変わる;伝統とはリアルな現実である;個性的な組織「伝統体」を見直せ;西欧文明=征服者思想の終焉;「人は城…」―協力なチームを作る条件;創造愛を発展させる縁)

著者等紹介

川喜田二郎[カワキタジロウ]
1920年、三重県生まれ。1943年、京大文学部史学科卒。理学博士、東京工大名誉教授。ネパールをはじめとするアジア各地での民族地理学・文化人類学的な長期的研究をもとに、野外科学の方法論を確立する一方、問題解決の民主的、効率的方法論としてKJ法を創始。教育論・文明論についても、豊富な実践経験をもとに幅広い議論を展開。2009年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雨巫女。@新潮部

6
《私‐図書館》サラッと読めてしまった。2012/10/04

nobinobi

2
創造性とは「ひと仕事やってのける能力を持つこと」であり、「自発性」、「モデルのなさ」、「切実性」の三要素をできるだけ高度に揃えている必要があるという。創造的行為には、すべてを包括した全体状況の中で自分がそうせざるをえなかったという絶対感ある。そのために、創造的行為を達成したとき、自ずから愛と畏敬の念が生じる。個人的には、絶対的受け身から、真の主体性が生まれる、という文章が印象に残った。全体状況を感知し、感知したものを整理して、そこから湧き上がるものがある、という感じなのかな。2016/11/26

えんどう

1
創造や伝統といった一見、抽象的な言葉に対して、きちんと明文化し、定義付けしてくれた。2016/01/18

Joshua Oikawa

1
自由大学の東北復興学という講義でKJ法を知り、その発明者である川喜田氏の著作を読んでみた。当初は社内ワークショップの参考になれば位の気持ちだったが、意外とヘヴィな文明論に圧倒された。僕が漠然とマホメット風刺画テロ事件に感じていた違和感のようなものがすでに言語化されていて、ハタと膝を強打しました。2015/01/14

aki

1
大書『創造と伝統』(祥伝社)の第1章を新書化したもの。「矛盾対立の解決は、実践以外にはない」「創造というものは、本来、実践を離れてありえない」といった実践家ならではの言葉に納得。自分の長くはない人生を振り返っても、頭のなかで考えているだけでは絶対に両立しないようなことも、覚悟を決めて実践してみると、なんとか両方とも達成できたことが何度もあった。矛盾を実践で止揚したといえばいいのか。「『今』のなかに過去が含まれ未来がふくまれている」(108頁)など仏教に通じる名言が多い。川喜田の著述はわかりやすい。2014/11/15

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