内容説明
“利休の茶室”を藤森流に転回させる自由で楽しい最小空間への挑戦。
目次
前口上 藤森流茶室とは何か
茶室対談(茶の湯の中の茶室空間―中村昌生×藤森照信;煎茶文化の中の茶室空間―小川後楽×藤森照信;茶室空間に埋め込まれたもの―原広司×藤森照信;茶室の中に隠されたインチキ、そして近代批判―隈研吾×藤森照信)
藤森流茶室全21作品クロニクル
著者等紹介
藤森照信[フジモリテルノブ]
建築史家であるが、近年、独自の茶室を手がけている。1946年長野県生まれ。1978年東京大学大学院博士課程修了。東京大学生産技術研究所教授、工学院大学教授を経て、東京大学名誉教授
大嶋信道[オオシマノブミチ]
建築家。藤森の手になる茶室の4つを協働し実現している。1960年鳥取県に生まれる。1984年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。建設会社勤務を経て、1991年大嶋アトリエ設立。武蔵野美術大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruko
4
茶室はお茶道具の一つ と考えれば茶碗を買うことはできてもお茶室は中々手が届かないもので、だからお点前やお道具ばかりを穴が開くほど見つめる茶会の現実があるのかもしれない。もっと 一期一会 この空間を共有する時間を楽しもうよ という先生の声が聞こえるような。歴史的に見れば 天王山の戦いで秀吉が戦場に赴く朝、一服の茶を献じる為に利休が、有合せの雨戸や藁で外界と遮断された「待庵」を一日で仕上げたのが原点。そう考えれば、藤森先生の奇想天外な茶室も、茶室の歴史の一隅を飾るのか 転換点なのか。はたまたあだ花か。2018/01/09
ぺったらぺたら子
1
お茶の作法がカトリックのミサの作法を真似ていた、というのはどうやら本当のようだ。そして、自らの死の方向へと歴史を仕向け、死によってお茶を残し自らを永遠の存在たらしめたとすれば、それはキリストの人生そのものさえ利休は模倣していたのか。 原広司と著者との対談が特に興味深かったが、原の宗教的ヴィジョンというか深みに全く対応出来ていない著者に対して、原は適当に話を切り上げた感があった。著者の切れ味と豪快さと強引さとスピード感が好きなのだが、そういう深みには欠ける人かもしれない、とふと思った。2016/07/08
インテリ金ちゃん
0
濃茶、薄茶の歴史、建築家と茶室の関係性に興味が惹かれた。やはり感性の違い?、藤森先生作の茶室については...2017/04/20
Kuliyama
0
楽しく拝読しました。藤森先生のお考えはなるほどと思うところと、それはちょっとどうかなといろいろでした。細川さんの一夜亭には憧れますが、藤森先生に茶室をお願いする勇気は、うーん、ちょっとないです。2016/05/17