内容説明
建築家たちが描いた、ここではないどこか。ドローイングをめぐる想像の旅へ、ようこそ。
目次
無意識の惑星―ポール・ルドルフ
旅人の距離感―エミリオ・アンバース
幕切れの余韻―スーパースタジオ
はかなく伝えるということ―ルドルフ・シュタイナー
愛を求めてまっすぐに―シャルル・フーリエ
神の目線―ピーテル・ブリューゲル
虚構の恍惚―ハンス・ペルツィヒ
時をかける想像―アルド・ロッシ
ここではないどこか―マッシモ・スコラーリ
豊かさのディテイル―トニー・ガルニエ〔ほか〕
著者等紹介
三浦丈典[ミウラタケノリ]
建築家。1974年東京都生まれ。1996年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1999年ロンドン大学バートレット校ディプロマコース修了。2001年ナスカ一級建築士事務所勤務(~06年)。2004年早稲田大学大学院博士課程満期修了。2007年スターパイロッツ主宰。横浜国立大学大学院Y‐GSA設計助手(~10年)。現在、工学院大学、早稲田大学芸術学校、横浜国立大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りー
16
あり得たかもしれない、しかし実現されなかった世界。ユートピアにシャングリラ、平行世界。そういったものを想像して読むと、ちょっと違う。これは夢を描き、それを果たし切れなかった「人」の物語だ。結果的に実現出来なかった者と、元から実現できないものを描いた者の違いこそあれ、ここで取り上げられているのは彼らの夢の跡以外の何物でもない。建築家達の描いたドローイングと、それに纏わる筆者のコラムが載っているのだが、学術的に役に立つ書籍ではない。これは筆者と共に、少ない情報から建築家達の夢に想いを馳せて楽しむ本なのだ。2013/06/20
REI
10
図書館本。いつか、雑貨屋さんで見かけてからずっと気になっていた本。建築は未知なる分野だけれど、これは本全体の雰囲気が好き。ポール・ルドルフ、ピーテル・ブリューゲル、アルド・ロッシ、トニー・ガルニエ、エーリッヒ・メンデルゾーン、ピーター・クック、ラルフ・ラプソン、レベウス・ウッズが良かった。2017/06/27
東雲
10
図書館本。建築家に必要なのは理系の知識ではなく想像力であり、相手の想像を上回る豊かさを創造することである。冒頭で作者はおおよそこのように語っている。アンビルト・ドローイング。建築家たちの頭の中にしかなかった、建てられることのなかった建物。どこにもない場所の風景の繊細な筆致と、想像を羽ばたかせる文章が魅力を最大限に引き出している。文章としてはエッセイのようなのに、異なる世界に想いを馳せる、紀行文のような本でもあった。建築の専門用語や数学などは一切出てこない。建築に興味のある文系の人にオススメの一冊。2017/04/24
ぷに
9
アンビルト・ドローイング(実現しなかっな建築物)当たり前っぽいけれど沢山の想像があっての創造物なんですよね。私は全然知らない世界なのでドローイングとかもほぼ初見でしたが、バベルの塔、建築いかだ、ワールドセンターが印象的でした。2020/04/20
Atsushi Mori
6
『創造することと、想像すること』この言葉に尽きる本。大学で建築を専攻していたのに、ドローイングという言葉すら知らなかった。恥ずかしい。さらにこの本は、アンビルド・ドローイング。つまり実際には建てられていないものの線画やデッサン。なんてマニアックな世界。でも最初のページ、ポール・ルドルフの作品をみた瞬間、鳥肌がたった。頭の中で空想を膨らませ、それを素敵に描きだす人たちって凄いなぁ。凄すぎて打ちのめされるくらい。26人の建築のうち、アルネ・ヤコブセンしか知らなかった。。。部活とバイトに明け暮れた大学生活。もっ2017/06/09
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