内容説明
仏教の開祖ブッダの生涯を叙情性あふれる人間ドラマとして描き、各国で読み継がれている世界的ロングセラー。映画化も決定。
著者等紹介
ティク・ナット・ハン[ティクナットハン][Thich Nhat Hanh]
1926年、中部ヴェトナムで生まれる。10代で出家し禅僧となる。ヴェトナムで社会福祉青年学校、ヴァン・ハン仏教大学、ティエプ・ヒエン(インタービーイング)教団を設立。コロンビア大学、ソルボンヌ大学でも教鞭を執る。激化するヴェトナム戦争のさなか、中立の立場から平和と停戦を訴え、戦争被害者救済に尽力するが、北からも南からも敵視・迫害され、1966年にはフランスに亡命を余儀なくされる。1973年のパリ平和会議には宗教者代表として出席。以降、“行動する仏教”をモットーに、農業、著述・講演活動と同時に、難民救済活動に尽力し、仏教の布教と平和活動をつづける世界的仏教者。英語、仏語、ヴェトナム語の著書多数
池田久代[イケダヒサヨ]
1949年、山口県に生まれる。1975年、同志社女子大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、皇學館大学社会福祉学部教授、および米国ハーヴァード大学客員研究員(2007‐2009)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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玖良やまだ
16
経典自体を読むより、物語化された教えの方が、受け入れやすい。2021/10/24
沙羅双樹
15
「人は、二度死ぬ」と誰かが言った。一度目は肉体の死。二度目は残された者の記憶からの忘却という死。ならばブッダは永遠に生きている。そう、過去・現在・未来において永遠に生き続ける存在なのだ。この壮大な物語を読み終え、感想を書こうとした瞬間、初めて抱く感覚があった。「畏れ多い」と。ただ、懐かしい感覚もあった。この読書は人生を振り返る行為であったということ。幼少の頃、父親に買ってもらった漫画があった。それは手塚治虫の「ブッダ」である。恥ずかしい話、ブッダは私の初恋の人だった。そしてバトンは小説に引き継がれる。2020/06/01
旗本多忙
6
数あるブッダ伝の中でもお薦めものだと思います。世の中が平和になることを願いつつ書かれたティクナットハン氏。釈迦八相を軸にブッダの歩みが詳細に書かれているが、小説形式だからスゴく読みやすい。読後に私は、今までこんな生き方しかしてこなかったのかと思わず問いたくなったが、それはブッダと凡夫の違いで実践はできないな(笑)仏教に興味なくても、真理を悟り縁起の理法を説いたブッダを知るにはもってこいの書籍ですね
陽之理
5
毎日寝る前に読みました。法話を聴いているようで安らかに眠れました。2017/07/08
TM
5
もっと神格化されてるのかな、と思っていましたが、この小説の中のブッダは、母親の横っ腹から生まれてきたり、生まれた直後に「天上天下唯我独尊」で天を指差した、とかの超人的描写はありません。説法をする様子、国王に懇願され提案を受け入れる姿や、カリスマ性だけで人を統率する姿ではなく、弟子が増えるにつれ、戒律の数を増やし、厳しくすることで人を束ねる姿など、組織を統べる経営者の様です。 周りの人間関係を含め、ブッダの人間的ないろいろな側面を見た思いがして、非常に親近感を覚え、ブッダの説法を本当に弟子になった気分で聞い2012/02/26