シリーズ・インド哲学への招待
インド哲学の教室―哲学することの試み

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  • サイズ B6判/ページ数 182p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393133750
  • NDC分類 126
  • Cコード C3315

内容説明

「哲学する」とはどういうことか?教師と学生の対話を通じ、西洋哲学とは異なるその独自の発想や考え方を学ぶ、シリーズ完結篇。

目次

第1講 自己と世界―西田幾多郎とヤージュニャヴァルキヤをめぐって(自己をめぐって;西田幾多郎の純粋経験;大乗仏教の唯識説と自己;自己についての判断中止が生み出す問題点;世界外存在としての実在の自己;自己と自我(身心)との峻別
自己による世界の生成
自己を世界内存在とするインド哲学の流派)
第2講 言語空間としての世界―実在論的多元論としてのヴァイシェーシカ哲学(言語と世界の関係;ヴァイシェーシカ学派の実在論哲学;カテゴリー論;実体について;無について;部分と全体)
第3講 絶対的幸福を求めるインド哲学―人情を超えて(哲学の入り口も目的地も倫理;インドの輪廻思想;人情も我執も断つのがインド哲学の正道;ブッダの修行の要は無関心=非人情だった)

著者等紹介

宮元啓一[ミヤモトケイイチ]
1948年生まれ。東京大学文学部卒。博士(文学)。インド哲学専攻。現在、國學院大學文学部(哲学科)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

YoW

3
自己について論じている章で自己とは「認識主体」であり、それが故に認識対象たり得ない。世界外存在である。というような事をさらりと言っていたが論理的な構造を理解したにも関わらず認識できないのは結構恐ろしいことではないかと思う。2021/08/11

南北

3
インド哲学の入門書ですが、先生と学生2人の対話形式で書かれている点や西田幾多郎の「善の研究」を導入部としていることで入り込みやすい本になっています。いわゆる「六派哲学」について基本的な考え方を述べた後、最後に夏目漱石の「草枕」や宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の中にもインド哲学の影響があることが書かれていて、興味深く感じました。それにしてもインド人って抽象的なことを考えるのが得意なようですね。2018/09/01

うちこ

3
インド六派哲学の「自己」の設定を対話形式の講義録を読むかたち(架空の授業)でまとめられています。 授業は「自己と世界」「ことばと世界」「哲学の目的としての絶対的幸福」の3つですが、最後の章の副題が「人情を超えて」となっており、そのなかの小さい章に「人情も我執も断つのがインド哲学の正道」「ブッダの修業の要は無関心=非人情だった」「夏目漱石と宮沢賢治に共通する非人情」があり、こんなにすばらしい構成があっていいのか! と思うほどおもしろくてイッキ読みしてしまいました。2014/11/13

ミッツデラックス

2
授業の補完で読んだ。自己が世界外存在でないといけない論理や六派哲学の外観を知ることが出来た。またインド哲学における無やカテゴリーの枠組みが西洋の形而上学と違ったものであり新鮮だった。ただ筆者が西洋哲学との対比を意識しすぎてか、西洋哲学は資料因が形相因に先立つと書いていたのは頂けない。アリストテレスは逆をはっきりと主張していた。こういった部分を見つけてしまうと他にもそういった誤りがあるのではないかと不安になってしまう。全体としては読みやすく導入としては良い本だった。2018/03/23

ツァッキ

1
本の中でも語られているが、ハイデガーやデカルト、ウィトゲンシュタインなど、近代以降の西洋哲学の思想家によって問題化されていた事態(<私>を巡って、言語と事実、倫理について、など)が紀元前から議論されていることを改めて思い知らされ、哲「学」は「学」問である以上構造的な共通点があるのだと感じた。語り口はめちゃくちゃ平易(1日で読み切れた)。2016/02/02

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