インドにおける曼荼羅の成立と発展

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  • サイズ A5判/ページ数 756p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784393112984
  • NDC分類 186.8
  • Cコード C3015

出版社内容情報

平安時代の初めに伝教大師最澄、弘法大師空海によって我国に伝えられた曼荼羅は、日本の仏教図像の根本として尊重されただけでなく、その文化全般にも大きな影響を与えてきた。日本における曼荼羅研究は、両界曼荼羅の伝来より、1200年の歴史を有している。
 そうした日本伝来の曼荼羅については、1960年代から70年代にかけて、優れた研究が陸続として発表された。とくに石田尚豊博士の『曼荼羅の研究』(東京美術、1975年)は、日本の曼荼羅研究史上、最も重要な著作といってよい。同著によって日本伝来の両界曼荼羅の研究は、大きな峠を越えたといっても過言ではない。
 これに対して本書は、石田博士が視野に含めなかった仏教の故国インドに目を向け、同地で5~6世紀頃に曼荼羅の原形が現れてから、仏教が衰亡する直前に成立した『時輪タントラ』(10世紀末~11世紀前半)に至るまでの、曼荼羅の成立と発展の歴史を解明することを目的としている。その構成は、曼荼羅の成立と歴史的発展を解明する第1部「研究篇」と、著者がサンスクリット原典を発見した重要文献の解題とローマ字化テキストを収録した第2部「文献篇」からなっている。

目次

第1部 研究篇(曼荼羅とは何か;曼荼羅の成立;胎蔵曼荼羅の成立;『理趣経』の曼荼羅;金剛界曼荼羅の成立)
第2部 文献篇(文献概説;ジュニャーナパーダの『普賢成就法』註概説;『普賢成就法』Skt.註―テキストと和訳;ナーガボーディの『秘密集会曼荼羅儀軌二十』概説;『秘密集会曼荼羅儀軌二十』テキスト;『秘密集会』曼荼羅の成立;母タントラの曼荼羅;『時輪タントラ』の曼荼羅;インドにおける曼荼羅の展開とその思想的意義)

著者等紹介

田中公明[タナカキミアキ]
1955(昭和30)年、福岡県八幡市(現北九州市)生まれ。1979年、東京大学文学部卒(印度哲学専攻)、1984年、同大学大学院博士課程満期退学。2008年、文学博士(東京大学大学院)。東京大学文学部助手(文化交流)を経て、1988年、(財)東方研究会研究員。ハンビッツ文化財団(ソウル)学術顧問、富山県南礪市利賀村「瞑想の郷」主任学芸員、岐阜女子大学南アジア研究センター客員教授(2009)。東京大学(1992、1994~1996、2001~2004)、拓殖大学(1994、1998)、三重大学(1995)、慶應義塾大学(2001~2010)講師(いずれも非常勤)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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