ぼくらはみんな生きている―18歳ですべての記憶を失くした青年の手記

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344000889
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

二度と戻らない記憶。あたらしい自分と向き合いながら生きて、草木染職人として独立するまでの12年間の軌跡。

目次

第1章 ここはどこ?ぼくはだれ?―’89.6~’89.8
第2章 これから何がはじまるのだろう―’89.9~’90.3
第3章 むかしのぼくを探しにいこう―’90.4~’91.3
第4章 仲間はずれにならないために―’91.4~’92.3
第5章 あの事故のことはもう口にださない―’92.4~’94.3
第6章 ぼくらはみんな生きている―’94.4~’01.5

著者等紹介

坪倉優介[ツボクラユウスケ]
1970年、大阪府生まれ。1989年、大阪芸術大学芸術学部工芸学科染織コースに入学。同年六月五日、帰宅途中に乗っていたスクーターが、トラックに激突、そのまま意識不明の重体となる。大阪府立大学病院救急センターの集中治療室に入って十日後、奇跡的に目覚めるが、十八年間すべての記憶を失くしていた。1994年4月、京都の染工房「夢祐斎」に入社。染師・奥田祐斎に師事する。2001年5月、草木染作家としてデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

114
図書館本。「カーショップ」をなんで「ちからーショップ」と言わないんだろう。大学一年、18歳の時にバイク事故ですべての記憶をなくしてしまった青年の手記。過去の自分の姿だけでなく、ご飯の食べ方や時計の見方、文字、明日の意味さえ分からない。そんな中で大学に復学し、好きな美術の道を進み、工房に就職できたのは並大抵のことではなかっただろう。そんな彼を支えるご両親の対応にも驚く。私だったら心配で一人暮らしとか考えられない。事故を言い訳にしない、新しい記憶に励まされながら生きる。私もしっかりしなきゃ。2019/11/11

けんとまん1007

53
かみさんから聞いて、読んでみた。人が生まれて成長していくことを、ある日突然、やり直すことに近いのかと思った。しかも、それまでの生きてきた証が、いろいろある中でという想像できない世界だ。周囲が知っているだけに、かえって大変なのだと思う。簡単に言葉に表せないものがある。2020/06/23

リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん

29
記憶を無くすとはどういう事なのか、其れがリアルに描かれていました。18で全ての記憶を無くすというのはショッキングですが、本人の努力により、少しずつ出来る事を増やしていく事で、今までの自分と全く違う新しい人生を切り開いていく姿に勇気を貰いました。2015/11/10

ひさしぶり

21
10年前に読んだだろうか。衝撃的だった。生きてきて獲得してきた知識を失うことの辛さはいかばかり。本人の感覚の喪失は本人に自覚がない分家族や周りの者が面喰らう。「いちばん初めの記憶」目がまわり、雑音ばかりで変な感覚で不安で一杯だったと思う。各章ごとのお母様の記憶を読むたびにこちらの胸がいっぱいになってしまう。「赤い危険な食べ物」は笑ってしまう。やっぱり読み終わると言葉にできない気持ちになってしまう。人生の正解ってなんだろう。過去の18年の記録と更新された人生の12年の重み。今もご活躍で胸を撫でおろす。2022/03/23

やまとさくら

14
事故で記憶がなくなる、家族の事も忘れ、日常の事もなにがなんだかわからなくなってしまう。自宅に戻り少しずつ教えてもらいながら(?)生活していく◎大学に戻ったり、運転免許をとったりご両親の理解支え離れて見守る姿勢には関心させられます◎お母さん側の文章もあり身につまされます◎広い心で支えてくれるお母さん、要所ごとに助言・行動をしてくれるお父さん、友だちがいて、好きな事が仕事にできて同僚先輩上司もよさそうで、ちゃんと生きている人生◎お母さんの【どんなことがあってもそこから歩き出すしかない】との言葉が印象的でした。2020/07/31

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