内容説明
瀬戸内海という豊かな自然環境を背景に築き上げられた歴史、暮らし、文化を、各分野第一線の研究者が、歴史の流れに沿って描き、これからの瀬戸内地域の姿を探る、瀬戸内海風土記。
目次
第1部 商―交通・経済(平安時代の国家と海賊;中世の瀬戸内海の海賊の生態と海の秩序 ほか)
第2部 農―農・林・水産業、生業(塩と瀬戸内海;近世瀬戸内農村の景観と構造 ほか)
第3部 工―土木・工業立地、近代産業(瀬戸内海地域の植生と近代産業;工業立地の展開と地域開発 ほか)
第4部 生活―暮らし・風土・楽しみ(瀬戸内海の風景と異文化のまなざし;観光の瀬戸内海 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徳島の迷人
1
瀬戸内海地域の交通産業観光の歴史を15名ほどで分かりやすくまとめている良本。村上水軍は安全保障で稼ぐ中立国家のようだった。近世は大名だけでなく外国の船や人も通って文化交流を果たしたり多量の物と人が行き交う地で、活気があった。橋を3つもかけた理由、東西に通る船と南北航路との交差を減らすため、瀬戸内を一体として開発するため。近世瀬戸内陸域は塩の大工場になり、全国に輸出。この時代に塩単価と通年操業の損益分岐点の計算あり。外国人によって最初に風景の良さを見出され、瀬戸内をまとまりとして捉えられるようになった。2021/10/17