出版社内容情報
バベルの図書館シリーズ、フランス編。ヴォルテール、リラダン、ブロワ、カゾットを収録。
ヴォルテール*川口顕弘訳
内容説明
フールミ夫妻はどこへ行こうとしても必ず列車に乗り遅れ、決して自分の町から出る事ができない…“じつに奇妙な物語で、カフカをも予兆する”とボルヘスが語る『ロンジュモーの囚人たち』ほか、全26編を収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兎乃
25
ヴォルテール、リラダン、ブロワ、カゾット。旧編を持っている人はフランス括りで再度楽しめるし、旧編の独特で美しい装丁もお宝ですが、「読んでも買っても後悔なし」です。柳川さんのクールな装丁も嬉しい。金額的にいうと、これから購入する人は新編がお得なのかも。と、下世話な事を言ってみました。スミマセン。いずれにせよ、リラダンは素晴らしい♪レミ・ド・グールモンの「仮面の書」と合わせ読みで、充実の読書タイムでした。2013/02/09
roughfractus02
6
語り手は冷静であり、主人公には残酷さがつきまとう。一方、残酷さは主人公の属性だったり、主人公に対して行使されたりする。その配分は作者次第のようだ。シリウス星人が見下ろす「昆虫」さながらの地球人(「ミクロメガス」)、主人公の伯爵の発狂を映像のように淡々と描く語り手(「ヴェラ」)、ラクダの首の形で現れ、女となる悪魔と主人公の恋に自由主義の欺瞞を見る語り手(「悪魔の恋」)は、夫や娘夫婦を殺すのでなく痴呆状態に陥れ、時間をかけて間接的に殺そうとする夫人と同じだ(「殉教者の女」)。この残酷な距離は、批評と呼ばれる。2020/03/10
Susumu Kobayashi
2
フランス編はヴォルテール、ヴィリエ・ド・リラダン、レオン・ブロワ、ジャック・カゾットを収録。ヴォルテールの「ミクロメガス」は巨人が登場してスケール雄大。リラダンは特に「ヴェラ」が良かった。ブロワは10ページ程度の短篇10編が入っていて、ブラック・ユーモアが漂う。ブロワの短篇はこれでしか読めないだろう。他の作品も読みたい。カゾットの「悪魔の恋」は再読だが、すっかり忘れていた。結末の唐突感にとまどう。2014/11/19
V
1
ヴォルテール「ミクロメガス」を。 好奇心に駆られて星から出ていく土星人にかける、恋人の言葉が読みたかった。 「行きなさい、、、あなたはただ好奇の人で、ただの一度も恋をしたことがないのね」2019/05/17
gibbelin
0
なんというか、さすがのフランス編。2013/01/26