出版社内容情報
坂岡真[サカオカ シン]
内容説明
京から江戸に戻った将軍毒味役の矢背蔵人介は、相番を務める同僚の桜木兵庫から娘の縁談を聞かされる。しかし、縁談相手の由緒ある乙山家の息子には悪評が。そして、相番の娘は窮地に陥る―。一方、城中では大御所・家斉の奇行が目立つが、家斉を守っていた小姓が何者かに惨殺された。「鬼役」蔵人介の怒りがついに爆発する!人気シリーズの傑作第二十一弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。その作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは驚異の7カ月連続刊行で話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
92
シリーズ21弾。連作3話、今回は蔵人介怒る!そして辛い。『鬼役』としてか禄を食む幕臣としてか、はたまた人としてか。忠臣とは一体何を以っていうのか・・「情を捨て、淡々と役目を全うせよ」何度も言われた台詞が重くのしかかる。なんだか鬼役様、『密命』の方が苦しくなってきたようですね。家斉が身罷っていよいよ時代は変換期になってくる。その時どうする?そろそろ鬼役も代替わりの時を迎えるのだろうかー今回はじっくりと読ませて頂きましたが、蔵人介の気持ちに添うて私の心も晴れないのだ・・2017/04/15
とし
88
鬼役「不忠」21巻。 何故かしっくりこないで無念だけが残りました。2017/07/14
ベルるるる
25
鬼役の影の仕事である暗殺は、何よりも「正義」がなければならない。何よりも「本物の悪」の成敗でなければならない。それが、このシリーズの核の部分であるはず。今回、御槍指南役の狭間三郎兵衛、湯方御家人の山田周平、叔父の宗像理左衛門・・・。この3人には、正義はないのか。本物の悪なのか。読み手にはそう思えない。権力闘争に巻き込まれている。だから、読後感が悪い。2017/07/23
さく
16
桜木兵庫は、相番ではあるが、それほど親しくしていた訳ではない。その桜木家に縁談話が。兵庫が望んだ事と娘の思いが、絡まって。様々な幸せの形を模索して、江戸時代でも、そんな親心を持った兵庫。人は色々な側面が合わさっている。桜木家と矢背家の縁が繋がるかもしれない。2021/11/04
ぶんぶん
13
【図書館】不忠・・・いろいろな事に遭遇し、自分の役目にも迷いが・・・蔵人介が生き方に逡巡する場面も。 相番の出世とそれが無くなり御鉄砲奉行の役目に就くため大阪に赴任する桜木の顛末を描く一篇がサラリと描かれる。 次の相番は誰に・・・権力闘争が激しくなり、水野、鳥居の動きも忙しくなってきた。 遠山の金さんの使い方が荒いように思える、もう少しワンポイントで使った方が良いと思うが。 蔵人介の密命が権力闘争に使わらねばと思う、ストーリーはエンターテナーで良いと思ってます。 後味が良くあらねば坂岡真じゃ無い。2017/06/04