内容説明
家賃を払えず、児童養護施設に預けられる3歳のミヤと4歳のシン。生活保護の申請を受理してもらえず、給食の時間までぐっとお腹が鳴るのを堪える小2のタクヤ…今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧困である。日本は、アメリカと並ぶ最低水準の福祉となってしまった。しかも、日本だけが事実を無視し、対策を取らず、貧困の子どもたちを社会的にネグレクトしている。本書は、この問題に対して私たちの認識を研ぎ澄ますために書かれたものだ。日米の児童福祉の現場経験をふまえ、理論・歴史・統計などの多角的な視座で実態を検証し、解決策を考える。
目次
1 概論(貧困化の著しい日本の子どもたち;なぜ子どもたちは貧困に陥ったのか?)
2 現実(学力格差と児童虐待;脳・身体・こころへの影響;貧困が子どもたちを蝕むプロセス)
3 対策(生活保護と児童養護施設はいま?;各国の貧困対策に学ぶ)
著者等紹介
山野良一[ヤマノリョウイチ]
1960年北九州市生まれ。北海道大学経済学部卒業後、神奈川県に入庁(福祉専門職)。現在、神奈川県内の児童相談所勤務(児童福祉司)。2005年から’07年にかけて、米国ワシントン大学ソーシャルワーク学部修士課程に在籍し、児童保護局などでインターンとして働く。ソーシャルワーク修士(MSW)。全国児童相談研究会(児相研)、日本子ども虐待防止学会、貧困研究会、全米ソーシャルワーカー協会(NASW)などの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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