内容説明
2012年10月、丸の内駅舎の保存・復原工事が完了し、2014年には100周年を迎える東京駅。新橋‐横浜の鉄道開業から40余年経って誕生したこの駅は、日本の鉄道の中心駅として待望され、開業前は「中央停車場」とも呼ばれた。そして、その後の東京駅および丸の内界隈の開発、戦争の傷跡からの復興と発展は、まさに近現代の東京の歴史であり、携わった幾多の人々の熱い思いが詰まっている。東京のシンボル・東京駅の履歴をここに紐解く。
目次
第1章 東京駅開業前史(上野ターミナルの開設;丸の内の移りかわり;高架線の建設と東京駅の設計)
第2章 東京駅の開業(大正3年12月ついに開業;ステーションホテルの開業とビジネス街の発展;鉄道開通50周年と関東大震災)
第3章 昭和戦前・戦中期(昭和時代の幕あけ;つかの間だった戦前の黄金期)
第4章 昭和戦後期(敗戦と占領期の混乱;高度経済成長下の輸送力増強;新幹線時代の到来)
第5章 JR時代の東京駅(日本国有鉄道の終焉;東京ステーションシティ)
著者等紹介
辻聡[ツジサトシ]
1954年、神奈川県逗子市生まれ。1976年、一橋大学を卒業し、三菱地所株式会社に入社。1989年より同社の100年史編纂に携わる。その後、ビル営業部担当部長、札幌支店長を経て、現在は同社内部監査室長。日本交通協会・交通ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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saga
56
東京駅前がまだ原野だった頃、明治政府の競売で落とした三菱。その先見の明を踏襲した三菱地所に勤務した経験を持つ著者が「東京駅」の歴史を綴る。太平洋戦争による戦災で直線的な屋根を載せる南北ドームに馴染みある自分としては、復原後の東京駅はとても新鮮だった。東海道新幹線、そして東北・上越新幹線のための番線運用の苦労は想像以上だった。2021/07/23
kotte
10
東京駅ができてから現代にいたるまで(2012年までですが)の歴史的経緯がよくわかります。日本の顔として首都東京に君臨する東京駅の歴史は日本の歴史そのものだと感じました。2017/06/07
スプリント
3
著者が三菱地所出身だけあって東京駅の駅舎だけではなく丸の内や八重洲の成り立ちにも触れられています。駅舎の高層ビル化の計画があったことを本書で初めて知りました。2014/03/02
最終バック九番手
2
もう少しJRになってからの部分を多く記述して欲しかった…リニューアル完成前に原稿が書かれているので今の東京駅ガイドにはあまり役に立たない…年表:あり…参考文献:あり…第一刷発行:2012年10月15日…本体800円2012/12/04
doremi
1
鉄道の敷設過程で、複線化はスルーされてばかりですが、これはフォローしていました。新書の制約から落とされたと思われるエピソードが悔やまれます。いづれは完全版を。 2012年 C0265 \800. 20122012/11/16