出版社内容情報
生活のある側面での自律と自立が、その他の諸側面の自立、自律の前進につながる可能性をもつかどうかは、問われるべき大きな課題である。これらを含んだ「開かれた自律」の問題を、福祉や医療の現場を念頭におきつつ現代社会の諸問題につないで論じようというのが、本書の試みである。
個の自立・自律の障害となっているのは病気・障害、貧困、加齢、地域コミュニティ、家族関係、労働等である。これらの諸局面において、現代社会における個の自律と依存との相互関係に、多様なアプローチが示される。目指しているのは、現代における人間の問題を共に研究する幾多の分野との、開かれた討論のための新たな焦点である。
序章 「個の自立」をどう考えるか
第一章 喪われた自律の回復
──現代病としてのアルコール依存に対する援助の考察──
第二章 個人の自律の条件と家族・近隣社会の変容
──トニ・モリスン『ビラヴィド』を例にして──
第三章 高齢者役割をどう規定するか
──パーソンズの提案を中心として──
第四章 労働における尊厳の回復
──シモーヌ・ヴェイユの労働・企業・社会改革構想──
第五章 日本的経営・雇用慣行の動揺と雇用・労働の将来
──企業内雇用システムへの市場メカニズムの導入と職業的「自律」──
第六章 セーフティネットの社会福祉学
──生活保護制度改革の課題──
第七章 保健・医療・福祉とつなぐ地域づくり
──内発的発展による地域の自立と協存──
終章 閉じられた「自立」から開かれた「自律」へ
──時代に応え得る個人像を模索して──
索引
内容説明
病気・障害、貧困、加齢、地域コミュニティ、家族関係、労働―現代における人間の問題を共に研究する幾多の分野との開かれた討論への可能性を示す。
目次
序章 「個の自立」をどう考えるか
第1章 喪われた自律の回復―現代病としてのアルコール依存に対する援助の考察
第2章 個人の自律の条件と家族・近隣社会の変容―トニ・モリスン『ビラヴィド』を例にして
第3章 高齢者役割をどう規定するか―パーソンズの提案を中心として
第4章 労働における尊厳の回復―シモーヌ・ヴェイユの労働・企業・社会改革構想
第5章 日本的経営・雇用慣行の動揺と雇用・労働の将来―企業内雇用システムへの市場メカニズムの導入と職業的「自律」
第6章 セーフティネットの社会福祉学―生活保護制度改革の課題
第7章 保健・医療・福祉とつなぐ地域づくり―内発的発展による地域の自立と協存
終章 閉じられた「自立」から開かれた「自律」へ―時代に応え得る個人像を模索して
著者等紹介
窪田暁子[クボタキョウコ]
1928年、大阪府生まれ。東京女子高等師範学校(現お茶の水大学)卒業、米国ラトガース大学留学、米国ミネソタ州立大学大学院社会事業学校青少年団体、地域福祉センター、精神病院等の勤務、日本福祉大学助教授を経て、現在、中部学院大学教授/専攻、社会福祉援助論
高城和義[タカギカズヨシ]
1942年、仙台市生まれ。東北大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学研究科博士課程中退、日本福祉大学、岡山大学法学部、広島大学法学部を経て、現在、東北大学大学院文学研究科教授(法学博士)/専攻、社会学・政治学
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