ICSEAD研究叢書
中国の再興と抱える課題

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  • サイズ A5判/ページ数 370p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326503193
  • NDC分類 332.22
  • Cコード C3033

出版社内容情報

権力による経済運営と市場に立脚した経済運営。効率的な運営を迫られる中国経済の矛盾と不安要因を両者の相克のなかに見出し短期・中期の政治形態にまで言及する。

中国経済が直面する7つの課題(雇用問題、不平等と格差問題、市場統合、国有企業改革、金融制度改革、生産性の向上、環境と資源制約問題)を取り上げ、客観的データに基づいて、各々の課題がどこまで解決され、各々の政策がどのような新しい価値を生み出し、中国政府が将来にわたって解決しなければならない課題は何かを析出する。

[関連書]
関志雄・朱建栄ほか編 『中国は先進国か』 (勁草書房刊)

はしがき

第1章 中国の再興と将来の課題………………………ナズール・イスラム 
     はしがき
  1-1 雇用,人口移動,都市化および工業化戦略に関する問題
  1-2 ルイスモデルからみた工業化段階
  1-3 不平等と格差問題
  1-4 国内市場の統合
  1-5 生産手段の所有制と国有企業改革
  1-6 金融制度の改革
  1-7 生産性の向上(生産性と蓄積との問題)
  1-8 資源制約と環境問題
    結  論

第2章 超高度成長と構造矛盾………………………………………小島麗逸
     はしがき
  2-1 年実質成長率でみた特徴
  2-2 異常に高い固定資本投資率を実現してきた産業部門
  2-3 高い不動産開発投資の推進者とつくり出している矛盾
     結  論

第3章 雇用と人口移動:農村の将来展望……………ロバート・アッシュ
     はしがき
  3-1 農村の雇用状況
  3-2 農業雇用の地域的偏差
  3-3 労働力移動
  3-4 農村の雇用政策問題
     結  論

第4章 ルイス成長モデルからみた中国の工業化
 ………………………………………………ナズール・イスラム,横田一彦
     はしがき
  4-1 ルイスの成長モデル
  4-2 ルイスモデルの拡張
  4-3 ルイスモデルの検証
  4-4 ルイスモデルの中国への応用
     結  論

第5章 所得と消費における格差の再検討
 ………………………………エリック・ラムステッター,戴二彪,坂本博
     はしがき
  5-1 最近の格差の傾向
  5-2 格差に関する経済学的文献およびその含意
     結  論

第6章 改革開放期の地域産業連関の変化……………日置史郎,岡本信広
     はしがき
  6-1 データについて
  6-2 分析手法について
  6-3 分析結果
  6-4 分析結果の検討
     結  論

第7章 財政連邦制と地域間競争および経済構造……………………斉 力
     はしがき
  7-1 財政改革政策の概要
  7-2 財政改革が地方の経済発展にもたらした影響
  7-3 経済構造と財の市場面でみた実証分析
  7-4 経済構造:要素市場化の実証研究
     結  論

第8章 国有資本のプレゼンスと経営支配の変革…………………今井健一
     はしがき
  8-1 国有企業改革:進展と課題
  8-2 寡占型国有企業
  8-3 企業家型国有企業
     結  論

第9章 金融改革:経過と展望…………………………………………陸 丁
     はしがき
  9-1 金融部門の市場化
  9-2 問題と挑戦
  9-3 銀行経営の審査の徹底
  9-4 将来の金融改革の見通し
     結  論
     付  録

第10章 全要素生産性成長率の推定:第二アプローチの応用
 …………………………………………………ナズール・イスラム,戴二彪
      はしがき
 10-1 本研究の背景
 10-2 成長会計の第二アプローチ
 10-3 中国の成長会計:第二アプローチの応用
      結  論

第11章 経済成長下の環境と資源:現状と展望…彭希哲,潘克西,兪娟
      はしがき
 11-1 ecological footprint
 11-2 水資源と水消費
 11-3 水資源問題への挑戦
 11-4 化石燃料の可利用性
 11-5 エネルギーの生産と消費
      結  論

第12章 都市の大気汚染:歴史的推移と将来予測
 …………………………………………………………トーマス・ラウスキー
      はしがき
 12-1 都市大気汚染の程度はどのくらいか
 12-2 大気汚染は改善されつつあるか
 12-3 中国の発展経路は正常か異常か
 12-4 主要都市以外の大気汚染はどうか
      結論と示唆される点


あとがき
索  引

内容説明

権力による経済運営か市場に立脚した経済運営か。効率的な運営を迫られる中国経済の矛盾と不安要因を摘出し、中国政府が将来にわたって解決しなければならない課題は何かを分析する。

目次

中国の再興と将来の課題
超高度成長と構造矛盾
雇用と人口移動:農村の将来展望
ルイス成長モデルからみた中国の工業化
所得と消費における格差の再検討
改革開放期の地域産業連関の変化
財政連邦制と地域間競争および経済構造
国有資本のプレゼンスと経営支配の変革
金融改革:経過と展望
全要素生産性成長率の推定:第二アプローチの応用

著者等紹介

イスラム,ナズール[イスラム,ナズール][Islam,Nazrul]
国連・経済社会局開発政策分析部・シニアー経済オフィサー

小島麗逸[コジマレイイツ]
大東文化大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。