帝国日本と人類学者―一八八四‐一九五二年

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帝国日本と人類学者―一八八四‐一九五二年

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  • サイズ A5判/ページ数 511,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326101566
  • NDC分類 389.02
  • Cコード C3010

出版社内容情報

日本/アジアについて人類学者は何を語ってきたのか。戦前日本における人類学の歴史を検証、その自-他認識の政治性を根底から問い直す。

坪井正五郎、鳥居龍蔵から柳田國男、石田英一郎まで、戦前日本の人類学者が日本国内とアジア各地で行った調査研究を彼らの言説・実践の両面から跡づける試み。自然人類学、民族学、民俗学の歴史を領域横断的にたどりつつ、人類学研究と国民国家、植民地支配、戦争との関わりを詳細に描き出す。

関連書:廣野他編 『生命科学の近現代史』(勁草書房刊)


序章 日本の人類学と植民地主義/国民国家
 第一節 人類学の歴史を何故、そしてどのように問うのか
 第二節 人類学史研究の現状と本書の課題
 第三節 本書の構成および本書で用いる概念について

第一章 日本人類学の誕生──坪井正五郎を中心に
 第一節 人類学会の設立──古物趣味から人類学へ
 第二節 坪井正五郎と明治期人類学の射程
 第三節 土俗と風俗──われらが内なる「未開」と「文明」
 第四節 好事家の政治学
 第五節 自然人類学者たち──小金井良精と足立文太郎

第二章 日本人とは誰か──日本人種論の政治学
 第一節 記紀神話と人種交替パラダイムの成立
 第二節 コロボックル論争と日本人の不在
 第三節 日本人種と人種分類の不可能性
 第四節 日本人種から日本民族へ
 第五節 アイヌ説の制覇と日本人起源論の流行
 第六節 人種交替パラダイムの超克
 第七節 大東亜共栄圏構想と日本人種論
 第八節 日本人種論と柳田民俗学の位置

第三章 我らが内なる他者──人類学者のアイヌ認識
 第一節 人種交替パラダイムとアイヌ滅亡の語り
 第二節 同化政策と落ち穂拾いとしてのアイヌ学
 第三節 日本人種論とアイヌ
 第四節 優生学者とアイヌ混血問題
 第五節 アイヌ混血問題と人種交替パラダイムの揺らぎ

第四章 漢化・日本化・文明化──植民地統治下台湾における人類学研究
 第一節 鳥居龍蔵の「探検」調査
 第二節 伊能嘉矩と原住民の「開化発達」
 第三節 台湾慣習研究会の漢族旧慣調査
 第四節 理蕃事業と総督府の原住民調査
 第五節 土俗人種学教室と「蕃社集団移住」
 第六節 宮本延人と寺廟整理問題
 第七節 混血と優生政策による「皇民化」
 第八節 「文明化」か「皇民化」か

第五章 類縁性のレトリック──植民地統治下朝鮮における人類学研究
 第一節 鳥居龍蔵とシャーマニズム
 第二節 朝鮮総督府と「植民地民俗学」
 第三節 巫俗と朝鮮ナショナリズム
 第四節 秋葉隆と内鮮一体論
 第五節 京城学派人類学と朝鮮総督府
 第六節 朝鮮半島から大陸へ──京城帝国大学と満蒙研究

第六章 「怠惰」なる他者──植民地統治下ミクロネシアにおける人類学研究
 第一節 『南洋新占領地視察報告』
 第二節 松岡静雄と南進論
 第三節 長谷部言人の生体計測プロジェクト
 第四節 ミクロネシアにおける人口減少問題をめぐって
 第五節 土方久功と「裸の土人」たち
 第六節 労働力としての「島民」

第七章 大東亜共栄圏と人類学者──戦時体制下の人類学研究
 第一節 人類学の学問分化
 第二節 民族学と民族政策の構想
 第三節 ナショナルな学か、大東亜民俗学か
 第四節 「原住民化」する日本人

第八章 エピローグ──日本人類学にとっての敗戦
 第一節 汚辱の払拭──民俗学
 第二節 「いよいよ働かねばならぬ世になりぬ」──民俗学
 第三節 反省なき沈黙──自然人類学

結語
あとがき
引用・参考文献
人名索引

内容説明

日本/アジアについて人類学者は何を語ってきたのか。戦前日本における人類学の歴史を検証、その自‐他認識の政治性を根底から問い直す。

目次

序章 日本の人類学と植民地主義/国民国家
第1章 日本人類学の誕生―坪井正五郎を中心に
第2章 日本人とは誰か―日本人種論の政治学
第3章 我らが内なる他者―人類学者のアイヌ認識
第4章 漢化・日本化・文明化―植民地統治下台湾における人類学研究
第5章 類縁性のレトリック―植民地統治下朝鮮における人類学研究
第6章 「怠惰」なる他者―植民地統治下ミクロネシアにおける人類学研究
第7章 大東亜共栄圏と人類学者―戦時体制下の人類学研究
第8章 エピローグ―日本人類学にとっての敗戦

著者等紹介

坂野徹[サカノトオル]
1961年生まれ。1990年東京大学大学院理学系研究科(科学史・科学基礎論)博士課程単位取得退学。日本大学経済学部助教授。専攻は科学史・科学論
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感想・レビュー

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てれまこし

1
人類学という一見政治とは無縁な学問が、実は帝国拡大と植民地経営と密接な関連をもって発展してきた。そんな歴史に耳を傾け反省する必要のあるのは人類学者だけで、学問に縁のない門外漢にとっては他山の石でよいはずだが、どうもそうならない。どういうわけだか近代の政治秩序は一(人類)と多(民族・人種)の問題と関係しているからだ。「同じ人間同士共に生きるべきだ」と一方で言いつつ、他方で「でもオレたちと違って貴様らは劣等だから」と言わんとならんのである。やたらに人を混ぜこぜにした挙句に、追い出そうとしたりするのである。2018/03/02

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