出版社内容情報
リバタリアニズムは、個人の自由と国家権力の制限を求め、「最小国家」を主張する。もう一歩踏み込んで「無政府資本主義」を説くのが本書である。誰もが自分の生き方を決める権利がある。ならば、すべての検閲は廃止されるべきだ。ドラッグを禁止する法律もいらない。税金を取り上げ、貧しい人を支援する政策は間違っている。ノーベル賞経済学者 M・フリードマンの子息で、『日常生活を経済学する』(日本経済新聞社、1999年)の著者が説く、国家なき無政府市場社会の可能性と望ましさ。大きな政府を当然視せず虚心に、大胆な思考実験を読んでみたい。
第一部 財産の擁護
1 財産の擁護
2 必要な脱線
3 愛情だけでは足りない
幕間
4 ロビン・フッドのごまかし
5 豊かな人々は一層豊かになり、貧しい人々は一層豊かになる
6 独占 その1──いかにして無一文になるか
7 独占 その2──楽しみと利益のための国家独占
8 搾取と利益
9 私は何も必要としない
第二部 リバタリアン・グラブバッグ、あるいは、国家を分割して売却する方法
10 学校を売却する
11 アメリカの大学のラディカルな批判(省略)
12 大学の不可能性
13 アダム・スミス大学
14 門戸開放
15 街路を売却する
16 99・44%は造られた
17 最初の一歩
18 反撃
19 かもしれなかった(省略)
20 ウィリアム・F・バックレイは伝染病か?(省略)
21 これは私の人生だ
22 若者の権利
23 忍びよる資本主義
24 欲しければ買いなさい
25 稀少性とは有限性のことである
26 公害
27 ある社会主義者の友人への散弾
第三部 アナーキーは無秩序ではない
28 アナーキーとは何か? 政府とは何か?
29 警察、裁判所、そして法──市場における
30 安定性問題
31 無政府資本主義はリバタリアンか?
32 さらに、無料のボーナスとして
33 社会主義、制限された政府、アナーキー、そしてビキニ
34 国防──困難な問題
35 予言は推測にすぎない
36 なぜ無政府主義か?
37 革命は最悪の事態である
38 盗みの経済学、あるいは支配階級の不在
39 公共財の罠の表面
40 ここからそこへと進む方法
完全主義者のためのあとがき
第四部 リバタリアンのために──拡張されたあとがき
41 諸問題
42 私の立場
43 回答──法の経済分析
44 私的な法執行、中世アイスランド、リバタリアニズム
45 リバタリアンな外交政策は存在するか?
46 貨幣のための市場
47 無政府主義の政治──リバタリアン党について(省略)
48 G・K・チェスタートン──著者評(省略)
訳者あとがき
付録1 いくつかの数値
付録2 私の競争相手:文献案内
索引
内容説明
無政府市場社会の可能性と望ましさに関する大胆な思考実験。予備知識など一切不要、「考えようとする意欲」をかきたてられる、リバタリアニズムの現代の古典。
目次
第1部 財産の擁護(財産の擁護;必要な脱線 ほか)
第2部 リバタリアン・グラブバッグ、あるいは、国家を分割して売却する方法(学校を売却する;アメリカの大学のラディカルな批判(省略) ほか)
第3部 アナーキーは無秩序ではない(アナーキーとは何か?政府とは何か?;警察、裁判所、そして法―市場における ほか)
第4部 リバタリアンのために―拡張されたあとがき(諸問題;私の立場 ほか)
著者等紹介
フリードマン,デイヴィド[フリードマン,デイヴィド][Friedman,David]
1945年、『選択の自由』などで知られるフリードマン夫妻(シカゴ学派のノーベル賞経済学者ミルトン・フリードマンとローズ・フリードマン)のもとに生まれる。当初は物理学を専攻し、シカゴ大学で博士号を取得したのち、経済学に転じ、父親にもまして徹底した自由尊重主義者となる。現在、カリフォルニア州のサンタ・クララ大学ロースクール教授(法と経済学)
森村進[モリムラススム]
一橋大学大学院法学研究科教授
関良徳[セキヨシノリ]
信州大学教育学部専任講師
高津融男[タカツヨシオ]
関西大学非常勤講師
橋本祐子[ハシモトユウコ]
同志社大学嘱託講師
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