出版社内容情報
長年にわたり工学部で数学の講義を行い学生のつまずきやすい個所を熟知している著者が,理工系学生向けにできるだけ分かりやすく執筆した複素関数の教科書あるいは入門参考書です。複素関数の微積分をスッキリ理解させるため,多くの説明図を付け,定理や公式の後に例題を数多く収録しています。例題には詳しい計算過程を書いた解答が付けてあり,学生が間違いやすい部分には注意書きで説明を加えています。例題を読んでそれに続く易しい問題を解いていけば,自然に定理の内容も理解でき自学自習できるようになっています。
第2版は,平成26年4月より高等学校の数学のカリキュラムに複素数平面が復活したことに配慮して,内容や問や演習問題を吟味し直しました。第1章を少し簡略化しましたが,高等学校の複素平面の復習も兼ねて,必要事項はすべて書いてあります。また第5章の5.3.1項に偏角の原理を,5.3.2項にルーシェの定理を新たに追加しました。5.3.1項には,分かりやすい具体的な例題を多く採用し,コンピュータによる像曲線も数多く掲載したので,偏角の原理の意味するところが直感的にも理解してもらえるものと期待しています。
第1章 複素数
1.1 複素数と複素平面
1.2 複素数列
演習問題
第2章 複素関数と微分
2.1 複素関数
2.2 複素微分と正則関数
2.3 複素初等関数
演習問題
第3章 複素積分
3.1 複素積分
3.2 正則関数の積分表示
演習問題
第4章 関数の級数展開
4.1 関数列の一様収束
4.2 テイラー展開
4.3 一致の定理
4.4 ローラン展開
4.5 孤立特異点
演習問題
第5章 留数とその定積分への応用
5.1 留数と複素積分
5.2 定積分の計算
5.3 偏角の原理とその応用
演習問題
付録A 極の位数と留数に関する注意
付録B 等角写像
問題略解
目次
第1章 複素数(複素数と複素平面;複素数列)
第2章 複素関数と微分(複素関数;複素微分と正則関数;複素初等関数)
第3章 複素積分(複素積分;正則関数の積分表示)
第4章 関数の級数展開(関数列の一様収束;テイラー展開;一致の定理;ローラン展開;孤立特異点)
第5章 留数とその定積分への応用(留数と複素積分;定積分の計算;偏角の原理とその応用)
著者等紹介
原惟行[ハラタダユキ]
1973年大阪大学大学院基礎工学研究科数理系専攻博士課程中退。現在、大阪府立大学名誉教授(工学博士)。専門は数学
松永秀章[マツナガヒデアキ]
2000年大阪府立大学大学院工学研究科数理工学分野博士後期課程中退。現在、大阪府立大学大学院工学研究科教授(博士(工学))。専門は数学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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